サントリーがメガソーラー建設のため、3つの工場の屋根や敷地の一部を提供する。この土地を利用して大規模太陽光発電事業を開始するのはソーラーフロンティアと日本政策投資銀行の共同投資会社であるSFソーラーパワーだ。熊本県と兵庫県、群馬県の工場に合わせて4.4MWのシステムを導入する。
サントリーグループがメガソーラーに向けた遊休地利用を進めている。2012年10月には未利用の工場跡地を出力2.15MWのメガソーラー建設のために貸し出している。2013年には新たに操業中の3カ所の工場の屋根や土地を大規模太陽光発電システムのために貸し出す(図1)。
3カ所の屋根や土地を20年契約で借り受けるのはSFソーラーパワーだ。同社はソーラーフロンティアと日本政策投資銀行の共同投資会社である。建設資金は全て日本政策投資銀行の競争力強化ファンドから投融資を受ける予定だ。完成後はSFソーラーパワーが発電事業者となり、運営を担う。発電した電力は固定価格買取制度(FIT)によって、全て電力会社に売電する。
太陽光発電システムの導入先となるのはサントリーグループの3工場。2013年6月にまずサントリー九州熊本工場(熊本県嘉島町と同御船町)で着工した。工場の屋根と敷地の一部を使って出力約2.6MWを得る(図2)。年間発電電力量として3036MWh(304万kWh)を見込む。九州熊本工場に置く発電所は2カ所、「SFソーラーパワー九州熊本第一発電所」と「同第二発電所」に分かれている。第二発電所は2013年10月、第一発電所は2014年1月の発電開始を予定している。第二発電所の設計・調達・建設は早水電機工業が担当する。
その後、2013年9月にサントリー榛名工場(群馬県渋川市、約0.6MW)、同10月に高砂工場(兵庫県高砂市、約1.2MW)に着工し、いずれも2014年3月の発電開始を予定している。
全ての発電所で、ソーラーフロンティアのCIS薄膜太陽電池モジュールを採用し、熊本では1万6356枚、4つの発電所合計で2万7768枚を使う。年間発電電力量の合計は4966MWhである。
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