全国の自治体が工業団地やニュータウンを開発したものの、売り切れずに空き地のまま残っているケースは少なくない。群馬県の企業局は「板倉ニュータウン」の未利用地にメガソーラーを建設して発電事業を開始した。総事業費は7億6000万円で、年間の売電収入は1億円を見込む。
群馬県の東部で約20年前から開発が始まった「板倉ニュータウン」は、総面積が200万平方メートルを超える大規模な新都市計画だ。住宅地や大学のほかに、製造業を誘致するための産業用地も開発されたが、計画通りに誘致は進まず、造成されないまま残っている広い土地があった(図1)。
その約4万平方メートルある未造成地でメガソーラーを建設する計画が進められて、7月16日から発電を開始した。ニュータウンを開発した群馬県の企業局が土地の有効活用と再生可能エネルギーの拡大を目的に建設した「板倉ニュータウン太陽光発電所」である。
発電規模は2.3MW(メガワット)で、年間の発電量は250万kWhを見込んでいる。固定価格買取制度の2012年度の買取価格(1kWhあたり40円)を適用することができるため、年間の売電収入は1億円になる。売れ残ったままの広い土地が巨額の収入を生み出す事業用地に生まれ変わった(図2)。
メガソーラーの総事業費は当初9億4500万円を見込んでいたが、実際には7億6000万円に収まった。想定通りの発電量を得ることができれば、8年程度で回収できることになる。太陽光発電の買取期間は20年間を保証されていることから、県営の電気事業として十分に採算がとれるプロジェクトである。
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