茨城県行方市の工業団地を利用したメガソーラーが立ち上がる。約35haに28.4MWの設備を建設する。4つの事業者がほぼ同時に4区画に取り組み、特別高圧受変電設備を共同で構築、運営する点に特徴がある。
茨城県行方市の工業団地を利用したメガソーラーが立ち上がる。工業団地を利用した取り組みは多い。行方市の場合は、茨城県の公募に応じた4つの事業者がほぼ同時に4つの区画で取り組む。ここまでは他の事例とあまり変わらない。特徴は、4つの事業者が特別高圧受変電設備を共同で構築、運営する点にある。国内でも初めての試みだとした。4事業者が連系点を共有し、費用はそれぞれのパワーコンディショナーの容量に応じて負担する。
メガソーラーが立地するのは北浦複合団地太陽光発電所(図2)。4つの区画からなる合計約35haの土地を利用する。2013年7月から順次着工し、2014年6月に発電を開始する。図2にある区画1(5.4ha)では日昇つくばがメガソーラーを立ち上げる。区画2(6.0ha)は関彰商事が、区画3(8.4ha)はNTTファシリティーズが、区画4(15.0ha)は日立キャピタル・日立製作所連合体が担当する。
4つの区画を合わせた総容量は28.4MWとなり、想定年間発電量は2万9500MWh、これは一般家庭の消費電力に換算すると約8200世帯分になる。なお、行方市の世帯数は約1万1600だ。
区画3を担当するNTTファシリティーズはこれまで発電事業用メガソーラーを6カ所に建設している。今回の「F北浦太陽光発電所」は同社の関東地方における最大級のメガソーラーとなるという。出力は6.53MW、想定年間発電量は6930MWhである。
自己資金、約15億円を投じる。2013年8月に着工し、2014年6月に発電を開始する予定だ。土地の賃貸期間は2013年8月から20年間。設計と管理運営(O&M)は自社で受け持つ。施工と施工管理については未定とした。
同社は3つの工夫を取り入れた。第1に自社開発のV型架台を採用することで、構築費を約30%低減したこと、第2に多結晶シリコン太陽電池を3社から調達したこと、第3に同社独自の発電診断システムを利用して、気付きにくい故障や不具合を診断できるようにしたことだ。
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