化石燃料への依存度が9割を突破、節電は効いているのだが自然エネルギー(2/2 ページ)

» 2013年10月03日 07時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]
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エネルギー供給も減少したが化石燃料が増加

 第2の特徴はエネルギーの供給も減少したことだ。2012年度の2万838PJという一次エネルギー国内供給量は、前年度比1.5%減に相当する。エネルギー供給の内訳は石油が44.4%、天然ガスが24.5%、石炭が23.3%だ。

 ただし増減の内容を見ると必ずしも安心できない。原子力は2011年度比で84.3%減少したものの、火力発電が増加したため、石炭が同4.4%増、天然ガスが同3.5%増、石油が同1.4%増となったからだ(図4上)。

 この傾向は2010年度と比較するとよりはっきりする(図4下)。原子力は94.4%減だが、天然ガスは20.4%増、石油は4.7%増だからだ。総供給では5.6%減である。

図4 エネルギー源別に見た一次エネルギーの国内供給量の変化。出典:資源エネルギー庁

 この結果、化石エネルギー依存度と石油依存度がいずれも上昇し、特に化石エネルギー依存度は92.5%と9割を突破した(図5)。

図5 化石エネルギー依存度と石油依存度の推移。出典:資源エネルギー庁

二酸化炭素排出量が増加

 第3の特徴は二酸化炭素(CO2)の排出量が増加したことだ。2012年度の排出量は1207Mトン。前年度比で2.8%増加した。化石燃料の供給量が増えている以上、当然の帰結といえる。1990年度比で13.9%増、2010年度比でも7.4%増だ。

 なお、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は2013年9月27日に最新の分析結果を発表している。それによれば、地球温暖化の原因が人為起源の温室効果ガス(CO2など)である可能性は「95%以上の確信度で極めて高い」という。


 今回の速報値から分かる今後の方針は3つある。CO2削減に役立つエネルギー源を育てていくこと、化石燃料への依存度を下げるエネルギー源の開発を続けること、業務部門と家庭部門のエネルギー消費削減に役立つ施策を推し進めることだ。

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