水面も走る4人乗りの超小型EV、全長2.5メートルで100キロ走行電気自動車

日本のベンチャー企業がユニークな電気自動車(EV)を開発した。全長2.5メートルの短い車体ながら、4人乗りで、しかも水に浮いて水面を走ることができる。東南アジアの市場を主なターゲットにして、2015年10月に発売する計画だ。

» 2014年02月27日 09時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 トヨタ車体で1人乗り電気自動車の「コムス」を開発した鶴巻日出夫氏が率いるベンチャー企業「FOMM」の初の製品になる。FOMMは「First One Mile Mobility」の略で、自宅から駅など最初の1マイル(約1.6キロメートル)を移動するためのクルマを目指している。

 東京都内で発表したコンセプトカーは全長2.5メートル、横幅1.3メートルで、4人まで乗ることができる(図1)。ホイールの中に駆動用のモーターを内蔵する「インホイールモーター」を採用して、小さな車体でも乗車スペースを広く確保する。アクセルペダルがなくて、手だけで操作する点も従来の自動車にない特徴である。

図1 「FOMM コンセプト One」。出典:日本特殊陶業

 さらにユニークなのは、水浮上機能とジェット水流発生機能を備えていて、水面でも走ることができる。ただし水陸両用の自動車と違って移動能力には制限がある。水害が多い東南アジア地域を想定した装備である。航続距離は最長100キロメートル(市街地走行モード)を見込んでいる。

 この超小型EVは2014年3月にタイで開催されるバンコク国際モーターショーに出展する。その後も各地で市場の評価を受けながら、2015年10月に発売する計画だ。FOMMのほかに大同工業と日本特殊陶業が開発・製造に参画する。

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