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» 2014年03月06日 13時00分 公開

2020年に電力需要の20%へ、発電コストの低下がカギ再生可能エネルギーの未来予測(1)(2/2 ページ)

[石田雅也,スマートジャパン]
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太陽光の発電コストは火力の3倍以上

 ただし日本と海外の状況を比べると、再生可能エネルギーの種類に大きな違いが見られる。IEA(国際エネルギー機関)の予測では、全世界の発電設備の半分以上を風力が占める(図3)。太陽光も着実に伸びていくが、風力を上回ることはない。これに対して日本では2030年以降も太陽光が中心になると予測している。

図3 再生可能エネルギーの導入量の予測(水力を含まず)。全世界(左)と日本(右)。出典:NEDO(IEAの資料をもとに作成)

 実際にIEAの予測どおりに進んでいくのだろうか。日本の再生可能エネルギーの今後を左右するポイントはいくつかあって、特に重要なのが発電コストだ。現在のところ太陽光が最も高く、LNG(液化天然ガス)を燃料に使う火力発電と比べて3倍以上になる(図4)。

図4 再生可能エネルギーとLNG火力の発電コスト比較。出典:NEDO(コスト等検証委員会の資料をもとに作成)

 そのために買取価格が高く設定されている一方で、太陽光パネルのコストダウンが進んで発電コストは下がってきた。ほかの再生可能エネルギーに比べると設備を導入しやすいこともあり、今後も有利な買取価格が続けば太陽光の導入量は確実に増えていく。

 とはいえ発電コストの点では風力や地熱と比べても2倍以上の水準で、このまま拡大していくと国全体のエネルギーコストを大きく引き上げてしまう。さらに太陽光と風力は天候によって出力が不安定になる問題があり、導入量が大きくなるのに伴って対策が必要になる。

 バイオマス・地熱・中小水力を加えて、5種類の再生可能エネルギーは利点と難点がある(図5)。貴重な自然環境を有効に活用するためには、それぞれの再生可能エネルギーの特性を生かしながらバランス良く増やしていくことが望ましい。

図5 再生可能エネルギーの特性比較。出典:NEDO(コスト等検証委員会の資料をもとに作成)

 日本の風土に合った再生可能エネルギーの拡大は国の最重要課題の1つである。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)がまとめた「再生可能エネルギー技術白書」を参考にしながら、太陽光から海洋エネルギーまでの未来を予測していく。

第2回:「太陽光発電:10年でコスト半減、2020年には石油火力と同水準」

第3回:「風力発電:2020年代から洋上へ、大型風車1基で10MW級」

第4回:「水力発電:全国で2万を超える候補地、発電コストは火力の2倍」

第5回:「地熱発電:世界3位の資源量は4000万世帯分、6割が開発可能」

第6回:「バイオマス発電: 使わずに捨てる資源から、800万世帯分の電力」

第7回:「海洋エネルギー:潮・波・海水でも発電、2050年には2200万世帯分にも」

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