地熱資源開発に28億円の補助金、全国28カ所の対象地域を選定自然エネルギー

経済産業省が地熱資源の開発を促進するために実施する補助金の対象地域が28カ所に決まった。最も多いのは北海道の11地域で、すでに地域内で開発プロジェクトが始まっている自治体などが選ばれた。補助金の総額は28億円を予定していて、1件あたり最大で1億8000万円を交付する。

» 2014年05月19日 09時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 この補助金は経済産業省が2013年度から始めた制度で、地熱資源を開発する自治体や温泉事業者などが地域住民の理解を促進するための費用として使うことができる。2013年度は3回の公募を通じて42件のプロジェクトに28億円を交付している。2014年度も同様に28億円の予算で継続することになり、まず1次公募で28件を採択した。

 特に広範囲にわたって地熱資源が分布する北海道からは11件が選ばれた(図1)。その中には大規模な地熱発電所の開発計画が進んでいる上川町や標津町も含まれている。次いで青森県が4件と多く、八甲田山の周辺で進行中の地熱開発プロジェクトなどが対象になる。

図1 補助金の対象に選ばれた28件の実施地域。出典:経済産業省

 補助金は地域住民の理解を促進するための費用全額に適用することができる。1件あたりの上限は1億8000万円と高額で、最低でも100万円が交付されることになっている。対象になる事業はソフト支援とハード支援の2つがある。ソフト支援は他の地域で稼働中の地熱発電所の見学会や講習会・勉強会などを想定している。

 もう1つのハード支援は、地熱発電に伴う熱水を利用したハウス栽培や養殖施設などが対象になる。ただし地熱発電の出力が10kW以上の場合に限られていて、実施する地域や事業ステージによっても対象範囲が異なる(図2)。

図2 補助金の対象範囲(ハード支援の場合)。出典:経済産業省

 経済産業省は1次公募の採択と同時に2次公募も5月14日に開始した。公募期間は6月27日の正午まで。もし2次公募でも予算が余った場合には、2013年度と同様に3次公募を実施する予定だ。

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