温泉とコシヒカリの村に太陽光発電、3カ所の設備から720世帯分の電力自然エネルギー

新潟県の北部にある関川村で、3つの太陽光発電所が2014年12月に運転を開始する。かつて農場や中学校のグラウンドがあった土地を利用する計画で、3カ所を合計すると発電能力は2.7MW(メガワット)になる。村の総世帯数の3分の1以上に相当する電力需要をカバーできる。

» 2014年06月13日 11時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 関川村は新潟市から北東に60キロメートル離れた山間部にあって、温泉とコシヒカリの産地として有名なところである(図1)。しかし近年は過疎化が進み、農場の閉鎖や学校の統廃合を余儀なくされてきた。その跡地を利用して太陽光発電事業が始まる。

図1 関川村の位置。出典:新潟県庁

 関川村の村有地と民有地を合わせて3カ所にメガソーラー級の発電設備を設置する計画だ。村が所有する「旧美穂農場」の跡地に1.3MW(メガワット)、「旧女川中学校」のグラウンド跡地に0.7MW、さらに村内にある集落の共有地に0.7MWで、合計2.7MWの発電能力になる。

 年間の発電量は260万kWhを見込んでいて、一般家庭で720世帯分の電力使用量に相当する。関川村の総世帯数は約1900世帯で、その3分の1以上の電力を供給できる規模になる。3カ所ともに7月から工事を開始して、12月に運転を開始する予定だ。

 太陽光発電設備を建設・運営するのは丸紅グループの三峰川電力である。三峰川電力は長野県で5カ所の水力発電所を運営しているほか、北海道の中部にある清水町では5カ所に分散した土地を利用して4.3MWの太陽光発電所を2013年12月から運転している。清水町と関川村はともに豪雪地帯にあり、太陽光発電に欠かせない積雪対策のノウハウを関川村でも生かす。

 関川村では12年前の2002年に「関川村地域新エネルギービジョン」を策定して、地域ならではの温泉熱や雪氷冷熱などの導入に取り組んできた。大規模な太陽光発電を実施するのは今回が初めてで、民間の力を活用して再生可能エネルギーによる地域の振興を図る(図2)。

図2 関川村の風景。出典:新潟県村上地域振興局

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