MY発電所キットを広げるLooop、高圧向けや管理運営サービスも展示PV Japan 2014 開催直前情報

「PV Japan 2014」におけるLooopのテーマは「自然エネルギーを、もっと自由に」だ。さまざまな規模の太陽光発電所を作り上げる事ができる「MY発電所キット」という仕組みを生かして、低圧向け、高圧向け、農業との共存などをうたう製品を展示する。管理・運営に役立つソリューションサービス「まもるーぷ」も見せる。

» 2014年07月15日 11時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 2014年7月30日〜8月1日の3日間、太陽光発電に関する総合イベント「PV Japan 2014」が、「第9回再生可能エネルギー世界展示会」と併せて開催される。

 展示会の開催に先立ち、スマートジャパンでは、PV Japan 2014の特設ページを設け、編集部が選んだ注目企業の見どころ情報や新製品情報などを掲載する予定だ。

 今回は、太陽光発電所に必要な全ての部材をさまざまな「MY発電所キット」として製品化し、発電設備の導入コスト削減と工期短縮を実現したLooopの出展内容を紹介する。

固定価格買取制度の後は?

 固定価格買取制度(FIT)は、規模の経済を人為的に作り上げることで再生可能エネルギーの利用に必要な機器の価格を引き下げ、「鶏と卵」のジレンマを打ち破る政策だ。加えて設備投資のリスクを下げる効果がある。次第に買取価格(調達価格)を低くしていくことで、発電能力が高く安価な製品が市場で支配的になるように促す働きもある。発電能力が低かったり、能力以上に高価な製品は生き残ることができない。

 Looopは他の太陽光関連企業と同様、今後の買取価格の推移に注意を向けている。短期的な対応と長期的な対応の2つを分けて考えており、短期的には低い買取価格でも十分投資回収可能な製品を提供し続けるという。買取価格はもちろん、「農山漁村再生可能エネルギー法」(農林水産省のWebページ)とソーラーシェアリングに対する農業委員会の動向を注視するという。

 長期的には20年後に迎える固定価格買取期間終了後の対策が重要になるという。そのカギは余剰電力で作り上げる「水素」だとした。再生可能エネルギーは決して一過性のブームなどではなく、エネルギーの在り方、ひいては社会の在り方を変えていくと確信しているという。

自然エネルギーをもっと自由に

 同社の展示テーマは「自然エネルギーを、もっと自由に」というもの。「自分で作れるMY発電所キット」で、太陽光発電所を身近な存在にしたという自負がある。発電に対する顧客のさまざまなニーズを形にした製品開発を進めており、PV Japan 2014では主に4種類の製品を展示する。

 「高圧MY発電所キット」は1キット当たり96kWから、太陽電池モジュールを32kWずつ(パワーコンディショナーは25kWずつ)段階的に選べるように設計した製品(図1)。アルミニウム製の架台など、長期運用における売電リスクを抑え、メンテナンス性も最適化させた高圧発電用の設備だという(関連記事)。

図1 高圧MY発電所キットの主な内容 出典:Looop

 「ソラシェア」は農業と太陽光発電を1つの土地の上下で実現するソーラーシェアリング向けに開発したキット。農作物の種類によって最適な光量を自在に調節できることが特徴だ(関連記事)。長手方向の軸を中心として、太陽電池モジュールを回転できるため、積もった雪を落としやすい構造でもある。大型トラクターなど農業機械を使用することを考え、架台の高さを最大約3.7m、架台の柱の幅を5.5mと大きく取った。

 「MY発電所キット60/72」は、パワーコンディショナーの出力を低圧契約に合わせるために49.5kWに抑えている。その一方で、太陽電池モジュールの出力を60kWや72kWに高めた製品だ。目的は日中の発電量を大きく底上げすること。オフピーク時の発電量に着眼し、1日の発電量を最大化する製品だ(関連記事)。

 「まもるーぷ」は太陽光発電所の管理・運営に役立つサービスだ。発電所を遠隔監視する「みえるーぷ」(関連記事)をまず取り付け、きめ細かな保守サービス「O&M」、万が一に備える「損害保険」のをパックとした包括的なサービスだという。

 この他、2014年内に発売を予定する風力発電タイプの製品「MY発電所キット 風力型」も見せるという。

PV Japan 2014

会期 2014年7月30日(水)〜8月1日(金)
時間 10:00〜17:00
会場 東京ビッグサイト
Looop ブースNo.:P1-021


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