家とクルマを結ぶ電力のやりとりは、これまで限定的だったといえる。しかし、ここにきて大きな進展があった。V2H(Vehicle to Home)と呼ばれる電気自動車(EV)と家とをつなぐ技術に、著しい改良が加わったからだ。今回、先陣を切った住宅メーカーと機器を供給する製品メーカーに、V2Hの開発状況や将来の展開を聞いた。
九州電力は長崎県と鹿児島県の離島6島を対象に、太陽光や風力による発電設備の接続申し込みを約1年間にわたって保留することを決めた。島内の主力電源である内燃力発電所の最低出力を確保するためで、離島における再生可能エネルギーの普及に大きなブレーキがかかることは確実だ。
ソーラーフロンティアは2014年7月、岩手県平泉町に出力13MWの大規模太陽光発電所を建設すると発表した。2016年の完成を予定する。世界遺産と共存できる発電所なのだという。
自然電力は2014年7月、食肉工場跡地を利用した太陽光発電所「秋田大館自然電力太陽光発電所」の建設を開始した。2014年12月には出力2.19MWの発電所が完成する予定だ。
ケン・コーポレーションは2014年7月23日、東京電力管内で合計68MWのメガソーラーを建設すると発表した。対象は北関東の3県だ。既に33MW分の建設に着手している。
岡山県で人口が最も少ない美作市に、発電能力が41MWの巨大なメガソーラーを建設するプロジェクトが進んでいる。122万平方メートルに及ぶゴルフ場の跡地に13万枚を超える太陽光パネルを設置して、1万2500世帯分の電力を供給する計画だ。運転開始は2016年3月を予定している。
1857年に日本で初めて鉄鉱石の製錬を開始した岩手県の「釜石鉱山」だが、現在は地下から湧き出るミネラルウォーターの生産地になっている。鉱山の地表部分に残る5万平方メートルの土地にメガソーラーを建設する計画が始まった。2MWの発電規模で12月に運転を開始する予定だ。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2014年7月、太陽光発電システムの改善に役立つ21のプロジェクトを開始すると発表した。システムの寿命を延ばす、太陽熱を電力と併せて利用する、リサイクルを効率化するなどの取り組みだ。太陽電池の変換効率向上や製造コスト低減ではなく、システム全体の効率、コストに着眼した。
実質的なエネルギー消費量をゼロにする「ネット・ゼロ・エネルギー」の取り組みが銀行の店舗でも始まった。滋賀銀行は2015年6月にオープンする新しい店舗に各種の省エネ設備と太陽光発電を導入して、ネット・ゼロ・エネルギー(CO2排出量ゼロ)を実現する計画だ。
全国の自治体で下水処理場に再生可能エネルギーを導入する動きが活発になっている。沖縄県は本島に4カ所ある浄化センターのうち2カ所で発電プロジェクトを開始する。下水の処理で発生する消化ガスを使って発電するほか、1カ所では太陽光発電も実施する計画だ。2016年の運転開始を目指す。
リコーは2014年7月、銀座4丁目交差点にある広告塔を自然エネルギーだけで賄う計画を発表した。太陽光発電と風力発電を蓄電池と組み合わせる。
国内最大82MWのメガソーラーがある大分臨海工業地帯で新たに大規模な開発計画が動き出した。三井造船の事業所の敷地内に、すでに稼働中の17MWの隣に45MWのメガソーラーを建設する。8月に着工して、2016年3月に運転を開始する予定だ。年間の発電量は1万4000世帯分を超える。
2011年から奈良県で始まったスマートハウスの居住実験で、燃料電池と太陽電池、さらに蓄電池か電気自動車を組み合わせた「3電池住宅」の導入効果がまとまった。家族4人が生活した結果、電気自動車を利用した場合でも年間の電力購入量は82%削減できて、光熱費は31万円も少なくなった。
大阪湾周辺の自治体から出る廃棄物の最終処分場に巨大なメガソーラーが完成した。ソフトバンクグループのSBエナジーが三井物産・京セラグループと共同で建設したもので、19.6MWの発電能力で一般家庭5700世帯分の電力を供給する。大阪府は20年間に土地の賃貸収入として約18億円を得る。
「PV Japan 2014」におけるLooopのテーマは「自然エネルギーを、もっと自由に」だ。さまざまな規模の太陽光発電所を作り上げる事ができる「MY発電所キット」という仕組みを生かして、低圧向け、高圧向け、農業との共存などをうたう製品を展示する。管理・運営に役立つソリューションサービス「まもるーぷ」も見せる。
オムロンは、太陽光発電システム向けの地絡過電圧継電器(OVGR)の新製品3モデルを2014年10月に発売する。太陽光発電システムの設計が容易になり、部品コストを低減できる。2015年4月に導入される新規制に対応することで運用・保安コストの削減にも結び付く。
太陽光発電システムを開発・販売するLooopは2014年7月28日、太陽光発電所の遠隔監視と保守管理、損害保険という3つのサービスを組み合わせた「まもるーぷ」を発表した。出力が200kWの場合のサービス料金は年間88万円。
カナダ企業の国内法人であるSolar Power Networkは、新潟県を中心に全国でホームセンターを展開するコメリから14カ所の屋根を借り、合計出力12MWの発電を始める。積雪量が多い地域の店舗を対象とするため、積雪を監視し、雪下ろしを含んだサービスとした。
オリックスは2014年7月、三菱化学物流の倉庫7棟の屋根を賃借し、出力2.5MWの太陽光発電所の運転を開始したと発表した。同社は全国148カ所で、屋根を利用した太陽光発電を計画しており、合計出力は68.9MWに達する。
ドイツのシンクタンクIWRは2014年7月、電力の輸出入による差益が2013年に19億5000万ユーロに達したと発表した。興味深いのは、1kWh当たりの輸出単価が輸入単価を上回ったことである。
ファインウッズは2014年7月、太陽光発電システム用の遠隔監視システムを発売した。携帯電話用のSIMを利用して、通信料金を抑えており、導入費用は20万円以下である。