年度が切り替わった2014年4月に、固定価格買取制度の対象になった発電設備の規模は1000万kWの大台に近づき、1カ月間の買取金額は800億円を突破するまでに拡大した。金額ベースでは太陽光発電が8割弱を占める一方、風力・中小水力・バイオマスを合わせると2割を超えている。
資源エネルギー庁は月次で発表してきた再生可能エネルギーの導入状況に加えて、2014年4月の集計分から買取電力量と買取金額の公表を開始した。4月単月の買取金額は804億円に達して、2014年度の年間では1兆円を超えることが確実になった。
再生可能エネルギーの種類別に見ると、太陽光(非住宅)が最も多くて382億円、同(住宅)が248億円で、両方を合わせて全体の8割弱を占める。続いて風力が81億円、バイオマスが65億円、中小水力が29億円になって、この3種類の合計で2割を超えた(図1)。特にバイオマスと中小水力は設備利用率(発電規模に対する実際の発電量)が太陽光の5倍以上と高く、それだけ買取対象の電力量が多くなる。
2014年4月末までに運転を開始した発電設備の規模は累計で977万kWに達した。3月末の時点から1カ月間で82万kWも増えて、これまでで最大の伸びになった(図2)。太陽光(非住宅)が92万kWも増加したためで、特に出力1000kW未満の中規模の伸びが著しかった。一方で太陽光(住宅)とバイオマスは集計方法が変わって前月よりも減ったが、実際に運転を開始した発電設備は増加を続けている。
ただし4月に買取制度の認定を受けた発電設備の規模は大きく落ち込んだ。2014年度に太陽光(非住宅)の買取価格が36円から32円へ4円も引き下げられた影響によるものである。太陽光(非住宅)の認定設備は3月に約2650万kWも増加したのに対して、4月には約260万kWと10分の1にとどまった(図3)。今後も伸び悩む可能性がある。
このほかでは太陽光(住宅)とバイオマスは集計方法の変更により比較できないが、風力は4月も3月と同様に伸びた(図4)。岩手県で3万kWの風力発電設備が認定を受けている。中小水力の認定規模は微増で、地熱では4月に認定を受けた設備はなかった。
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