トマトジュース工場の跡地にメガソーラー、3月11日の売電収入は奨学基金へスマートファクトリ

カゴメは1982年に閉鎖した青森県の十和田工場の跡地に、山梨県と福岡県に続く3番目のメガソーラーを稼働させた。3カ所の発電量を合計すると1900世帯分の電力使用量になり、カゴメグループが国内で使用する電力の12%に相当する。毎年3月11日の売電収入は被災地の奨学基金に寄付する。

» 2014年09月04日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 青森県の十和田市で1972年に操業を開始したカゴメの十和田工場では主力商品のトマトジュースを1982年まで製造していた。製造拠点の集約によって閉鎖した工場の跡地にメガソーラーを新設して8月28日に発電を開始した。

 約6万平方メートルの敷地に7200枚の太陽光パネルを設置して(図1)、発電能力は1.9MW(メガワット)になる。年間の発電量は203万kWhを見込む。設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は国内標準の13%よりも低い12.2%を想定している。

図1 「カゴメ十和田メガソーラー発電所」の全景。出典:カゴメ

 カゴメは2013年6月に太陽光発電事業に着手して、これまでに山梨県の工場予定地と福岡県の配送センター跡地に同じ規模のメガソーラーを建設してきた(図2)。新たに運転を開始した十和田工場を加えて、年間の発電量は合計688万kWhにのぼる。一般家庭の電力使用量(年間3600kWh)に換算して約1900世帯分、カゴメグループが国内で使用する電力量の約12%に相当する規模になる。

図2 カゴメの太陽光発電事業。出典:カゴメ

 発電した電力は固定価格買取制度を通じて全量を電力会社に売電する。カゴメはカルビーとロート製薬と共同で「みちのく未来基金」を運営していて、3月11日の売電収入を20年間にわたって基金に寄付することにしている。みちのく未来基金は東日本大震災に被災した子供たちの進学を支援するための奨学金になる。カゴメが2014年3月11日の売電収入で寄付した金額は105万円だった。

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