日産自動車とJ-オイルミルズ、東京ガス、エネルギーアドバンス、横浜市は2015年3月19日、異業種の工場間で蒸気を融通することで、約3%の省エネが実現できる計画について発表した。国内でも珍しい有益な熱利用法だ。
高速道路を挟んで向かい合う異業種の工場が、コーネジェレーションシステムの生み出した蒸気を融通して、省エネルギーを実現し、二酸化炭素排出量を削減する*1)。このような試みが横浜市鶴見区大黒町で始まる(図1、図2)。
蒸気の融通によって、約3%の省エネが実現でき、原油換算で年間1400kLの削減に相当する。二酸化炭素排出量は約6%(5700トン)削減可能だ。「2社に導入する設備などに投じる事業費は、合計10数億円規模である」(J-オイルミルズ)。
*1) コンビナートなどに立地する同業種の企業間でコージェネレーションシステムから得た蒸気を融通する既存の事例とは異なり、業種、敷地とも異なる事例は東京ガス管内で初だという。
日産自動車とJ-オイルミルズ、東京ガス、エネルギーアドバンス、横浜市*2)が2015年3月19日、蒸気供給に関してそれぞれ発表した内容によれば、エンジンのユニットを製造する日産自動車横浜工場が、サラダ油や食用油を製造するJ-オイルミルズ横浜工場に蒸気を供給する。東京ガスが都市ガスを送り、同社の100%子会社であるエネルギーアドバンスがコージェネレーションシステムなどの設備を導入する形だ。既に契約を締結済みであり、蒸気・給水配管の建設に着工、「2015年秋の完成を予定している」(日産自動車)。
図3に日産自動車横浜工場とJ-オイルミルズ横浜工場の位置関係を示した。「蒸気を運ぶパイプの総延長距離は100mだ」(J-オイルミルズ)。
*2) 横浜市地球温暖化対策実行計画と、成長分野育成ビジョンにおける「京浜臨海部の企業の連携によるエネルギー融通」を実現する取り組みだという。
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