バイオジェット燃料を導入するための課題としては「バイオジェット燃料の生産」「サプライチェーンの確立」「実際の利用時における問題解決」の3つが挙げられる。これらの3つの課題を解決することが、2020年のオリンピック・パラリンピックでのバイオジェットフライトの実現につながる他、将来的な商用化にもつながるものとなる。
生産面では、まず安定的な生産体制を確保することやコスト低減、精製プロセスの確立、燃料の国際規格認証などが課題となる(図4)。
バイオジェット燃料の原料には大きく分けて、微細藻類由来のもの、草木由来(BTL)のもの、都市ごみ由来のもの、の3つが存在する。しかし、それぞれが一長一短の問題を抱えている状況だ。微細藻類由来のバイオジェット燃料は、生産の大規模化や効率化が課題だ。一方で、草木由来のものや都市ごみ由来のものは、原材料の安定確保が難しく、そのため安定的な生産が難しい。研究開発を進めていくことで、これらの課題を解決へと導いていく方針だ(図5、図6)。
また、バイオジェット燃料の規格認証としては、ATSM(米国材料試験協会)による「ASTM D7566」の規格認証が必要となる。この認証を受けると、ジェット燃料規格である「ASTM D1655」の要件を満たすものと認定されるからだ。これらの認証をどう取得するのか、という点も今後取り組むべきポイントとなるだろう(図7)。
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