太陽光パネルから送配電ネットワークを使わずに電力を供給するオフグリッド型のシステムが増えてきた。1枚の太陽光パネルをDC/ACインバータに接続するだけで、コンセントから電気製品に100Vの電力を供給できる。太陽光で発電できない場合には通常の電力系統に切り替えることも可能だ。
再生可能エネルギーの導入が活発な長野県に本社を置くネクストエナジー・アンド・リソースが、オフグリッド型の太陽光発電システム「Solacon」を8月5日に発売した。システムの構成はいたって簡単だ。最大出力が155W(ワット)の太陽光パネル1枚と、発電した電力を変換するDC/AC(直流/交流)インバータを組み合わせる(図1)。
太陽光パネルとDC/ACインバータをケーブルで接続するだけで、インバータに付いているコンセントから電気製品に100V(ボルト)の電力を供給できる仕組みだ(図2)。インバータの内部電圧は30V未満になっていて、電気事業法で定められた電気工作物に該当しないため、設置にあたって電気工事士の資格は不要である。
システムの価格は太陽光パネル(図3)とDC/ACインバータのセットで12万8000円(税抜き)である。複数枚の太陽光パネルを並列で増設して、155W以上の容量に拡張することもできる。
ただし蓄電の機能は内蔵していない。別売の自動切替器をインバータに接続しておくと、太陽光で発電できない場合には商用電源に自動的に切り替えて、インバータ経由で電力の供給を継続することができる。
オフグリッド型の太陽光発電システムは手軽に再生可能エネルギーを活用できることから導入事例が増えてきた。特に電源から離れた場所で、小型の電気機器を利用する場合に向いている。
災害時には太陽光パネルとインバータを避難所に持ち運んで、緊急用の電源として使うことも可能だ。電力の供給が途絶える可能性があるため、医療用の機器などを接続することは禁物である。
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