阿蘇山のふもとに1.8MWのメガソーラー、10頭のヒツジに除草をおまかせ太陽光

熊本県阿蘇郡の産山村に、日本アジアグループ傘下のJAGエナジーが開発したメガソーラー「産山山鹿ソーラーエナジーファーム」がこのほど完成した。雑草対策として10頭のヒツジを放牧している。

» 2015年08月21日 13時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 熊本県阿蘇郡の産山村(うぶやまむら)に、このほど出力約1.8MW(メガワット)のメガソーラー「産山山鹿ソーラーエナジーファーム」が完成した。日本アジアグループ傘下のJAGエナジーが開発したもので、雑草対策としてヒツジを放牧しているのが特徴だ。

 同発電所は広さ3万7000平方メートルの遊休地を活用し、EPCサービスは東京エネシスが担当した。カナディアン・ソーラー・ジャパン製の太陽光パネルを7104枚設置している。年間の発電量は一般家庭540世帯相当を見込んでいる。これによりスギ8万5000本分の年間CO2吸収量に相当する約1200トンの年間CO2削減効果があるという。

 阿蘇山のふもとに位置する産山山鹿ソーラーエナジーファームは、周囲に牧場が多く所在している。こうした立地特性を活用し、さらに環境に配慮した活動の一環として10頭のヒツジを放牧している。羊が草を食べることで、発電所内の除草に係るエネルギーやコストを削減する狙いだ(図1)。

図1「産山山鹿ソーラーエナジーファーム」の様子。雑草対策として10頭のヒツジを放牧している 出典:日本アジアグループ

 メガソーラーを立ち上げる場合、敷地の除草コストも稼働後の保守管理(O&M)費用として計算する必要がある。除草コストは地域特性や環境によって大幅に異なるが、10〜20年以上の稼働を想定するメガソーラーの場合、定期的に行う必要がある除草のコストも無視できない額になる。そのため除草にこうしたヤギなどの動物の力を借りる事例も増えている(関連記事)。

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