太陽光発電のコストは、普及当初に比べれば減ってはきているものの、他の電源に比べると割高であることには変わらない。さまざまな技術革新により、太陽電池モジュールの発電効率向上や生産技術の向上などにより、モジュールだけを見た採算性は高まってきたといえるが、さらなる発電コスト低減のためには周辺機器や維持管理も含めた発電システム全体として低コスト化が必要となる。NEDOが今回実施するのは、この周辺部分の低コスト化を目指したものだ。
具体的な目標として「工事を含む周辺機器コスト全体を10%以上削減する低コスト化技術の開発(発電コスト換算で2円/kWh以上の削減効果)」と「維持管理コストを30%以上削減する低コスト化技術の開発(発電コスト換算で1円/kWh以上の削減効果)」の2つを目指すという。これらにより、2020年の太陽光発電の発電コスト目標14円/kWh達成に貢献していくという。
このプロジェクトで採択されたテーマは以下の2つだ。
奥地建産が取り組む「高耐久軽量低コスト架台開発と最適基礎構造適用研究」は、設置する地盤の状況や環境に応じて基礎と架台の最適な組合せを設計し、低コスト化を図るというものだ。
具体的にはまず、耐久性と軽量性を兼ね備えたトラス構造(三角形を基本単位に、その集合体で形成された構造)などを用いた架台の低コスト設計・施工技術の開発を行う。この架台が太陽光発電システム特有の腐食影響をどう受けるか検証するとともに土質状況により影響を受けやすい地際の腐食対策技術の開発を実施する。これにより、太陽光発電システムの初期コストと維持管理コストの双方でコスト低減を実現することを目指す(図2)。
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