来るか水素社会、見えない炎を捉えるパナソニック蓄電・発電機器(1/3 ページ)

パナソニックは「エコプロダクツ2015」で水素ステーション用の炎検知センサーなど、水素社会の実現に向けた同社の水素関連製品を複数展示した。純水素燃料電池のコンセプトモデルや水素メーターなど、水素が本格的に普及した将来を見据えた製品のコンセプトも披露している。

» 2015年12月16日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 パナソニックは2015年12月10〜12日に東京ビッグサイトで開催された「エコプロダクツ2015」に出展し、「A Better Life, A Better World」をコンセプトに同社の手掛ける環境・エネルギー関連の製品やソリューションを展示。ブース内には水素社会をテーマにしたコーナーも設けており、関連製品を複数披露した。その1つが今回初公開になるという水素ステーション用の紫外線式水素炎センサーだ(図1)。

図1 パナソニックが展示した水素ステーション用の紫外線式水素炎センサー(クリックで拡大)

 水素は空気中に4〜75%の濃度となった場合、静電気などのエネルギーが加わると引火する。しかし非常に軽い気体で拡散性も高い水素が、開放空間で4%以上の濃度になることは少ない。

 とはいえ可燃性ガスであることには変わりなく、扱いには安全対策が必要だ。水素ステーションの設置に関しては天井部分の風通しを良くするなどの、さまざまな対策が施されている。パナソニックが展示したような水素の燃焼による火災を検知するセンサーの設置もその1つだ。水素は燃焼しても炎が無色透明でほとんど見えないため、センサーを使った検知が必要になる。

 パナソニックが開発した水素炎センサーは、紫外線を利用して見えない炎を検知する。こうした紫外線方式のセンサーは他社も開発しているが、同社の製品の特徴は太陽光の影響を受けない点だという。紫外線は太陽光にも含まれているため、日が当たることで誤検知が起きたり、これを防ぐために設置場所などを工夫したりする必要があった。

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