連載
» 2016年01月04日 07時00分 公開

2016年の電力メガトレンド(1):電力・ガス・電話のメガ競争が始まり、電気料金は確実に安くなる (3/4)

[石田雅也,スマートジャパン]

先行するガス会社と石油会社の意気込み

 100社に迫る新規参入事業者がひしめく中で、家庭向けの電力小売で先頭を切ったのは東京ガスである。1月4日から「ずっともプラン」のブランド名で契約申込の受付を開始した。東京電力が家庭・商店向けに提供する3種類の標準的な料金プランに合わせたうえで、基本料金と電力量料金の単価に差をつけて割安感を訴求する。特に毎月の使用量が多い家庭や商店に有利な料金設定になっている。

 当然ながら電力とガスのセット割引プランも実施するが、割引額は月に270円(税込み)と小幅にとどめた。電力の使用量が標準よりも3割多い年間4700kWh(キロワット時)の家庭の場合に、電気料金の差額とセット割引を合わせて年に4000〜5000円くらい安くなる。

 電力とガスにインターネットサービスを加えると、さらに年間で1万2000円の割引が可能な「東京ガストリプル割」を適用できる(図5)。電力の使用量が年間4700kWhの前提条件ながら、電力とガスのセット割引を含めて1年間に最大1万6000〜1万7000円を節約できるのは魅力的である。

図5 「東京ガストリプル割」の料金割引イメージ(割引額は条件によって変動)。出典:東京ガス

 当面はサービスエリアを東京電力と同じ関東一円に限定する。2017年4月には都市ガスの小売全面自由化を控えていることから、いち早く関東で電力と都市ガスのセット販売を拡大して自由化に備える構えだ。対象エリア内に営業拠点がある中堅の都市ガス会社5社とも電力の小売で販売提携を結んで体制を強化した。

 関西では大阪ガスが独自の電気料金プランを発表して、1月4日から契約申込の受付を開始している。大手の都市ガス会社では中部の東邦ガス、九州の西部ガスも小売電気事業者に登録済みだ。それぞれ東京ガスと同様の戦略で各地域の電力会社に対抗していく。ただし企業の規模では電力会社のほうが圧倒的に大きい。ガス会社の多くは地域内の同業と提携関係を拡大しながら、携帯電話会社など他分野の有力企業と連携する必要がある。

 エネルギー業界では石油元売り最大手のJXグループが東京ガスと同じ関東エリアの家庭を対象に「ENEOSでんき」の販売を4月から開始する(図6)。JXグループは石油や天然ガスを燃料に利用した火力発電所を全国各地に展開しているほか、首都圏ではバイオマス発電所も運転中だ。電力の供給面では東京ガスと並んで強い競争力を発揮する。

図6 「ENEOSでんき」の提供イメージ(左)、2016年4月時点のサービス対象エリア(右)。出典:JX日鉱日石エネルギー

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.