ニュース
» 2016年01月28日 09時00分 公開

急がれる太陽光発電と風力発電の安全対策、定期検査制度の導入も自然エネルギー(2/2 ページ)

[石田雅也,スマートジャパン]
前のページへ 1|2       

太陽光発電の保安規制を見直し

 太陽光発電と風力発電の事故が頻発したことを受けて、ようやく政府も安全対策の強化に乗り出す。太陽光発電に対しては、電気事業法で定めた保安規制を見直す方針だ。現在は発電能力が2000kW未満の設備には工事計画の届出が不要だが、この条件を500kW未満に変更して届出の対象を拡大する可能性がある(図5)。さらに技術基準の妥当性も再検証する。

図5 太陽光発電設備の認定・導入状況と保安規制(画像をクリックすると拡大)。出典:資源エネルギー庁

 風力発電には太陽光発電よりも厳しい検査制度を適用する見通しだ。現在の電気事業法では火力発電設備を対象に定期安全管理検査制度を義務づけて、3〜4年ごとに国か民間の審査機関による定期検査を実施している(図6)。この検査制度を風力発電にも拡大する。開始時期は2017年度を予定している。

図6 火力発電設備を対象にした定期安全管理検査制度。出典:資源エネルギー庁

 定期安全管理検査制度の実施に向けて、風力発電事業者や風車メーカーなどで構成する日本風力発電協会は定期点検指針の試行版を策定した。風力発電設備の部位ごとに点検の周期と項目を決めて、すでに一部の発電所で実施中だ(図7)。

図7 風力発電設備の定期点検指針(試行版)の概要。出典:資源エネルギー庁

 試行版の実施状況を参考にしながら、政府は検査制度の対象に含める風力発電設備の規模などを2016年度の上期中に確定させて、2017年度からの実施に間に合わせる。風力発電に対しては国が直接検査を実施したことはなく、審査機関の体制整備も課題になる。

 一方では固定価格買取制度の見直しも進めて、天候の影響を受けやすい太陽光発電と風力発電の買取価格を長期的に引き下げていく。買取価格の低下に加えて安全対策の強化を求められると、発電事業者にとっては収益性が厳しくなる。とはいえ環境負荷の低いことが再生可能エネルギーの最大の利点であり、事故を防止するための安全対策は欠かせない要件になる。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.