ミサワホームとCSロジスティクスは建材の調達方法の改善により省エネ化を実現した。従来は各建材メーカーが個別に各工場・基地に納品していたが、これに代えて1台のトラックが最適なルートで建材メーカーを巡り回収していく方式を取った。
この方式ではトラック積載部分を独自のモジュールを用いて、ムダ無く多品種の建材が混載できるように、建材メーカーがブロック数や配達日をインターネットで入力するシステムを開発。発注すれば2日後には建材が到着するジャストインタイム(JIT)物流を実現している。こうした取り組みで2014年度のエネルギー使用量は2001年度比37%減を達成している。この他、工場の建材在庫が導入前の1984年には約50億円だったものが、現在は約3億円(94%減)と大幅な在庫削減にも結びついているという。
静岡ガスと日建設計は、静岡ガスの本社ビル建て替えに際し再生可能エネルギーなどを活用し省エネビルを実現した。具体的には以下の4つのシステムを実現した。
これらの取り組みにより、エネルギー削減を実現した。その結果、完成2年目の原単位は通常ビルの半分以下を達成したとしている。
パナソニックは車載用電池工場(加西事業所)で、データ活用による空調設備の高効率化を実現した。空気線図表を用いて空調設備の効率評価をする場合、従来は手計算していたが、同社ではPCを活用した自動計算システムを構築した。さらに、空気線図簡易モデル式を導出し、統計的手法による省エネ効果の見える化を図った。
これにより、除湿量傾向分析によるデシカント空調機の設定温度最適化、生産工程内温湿度シミュレーションによる給気温度の低温化、PID制御分析やLTD(配管汚れ)管理などによる吸収式・ターボ冷凍機の高効率運転化などを実現した。その結果、エネルギー使用量は原油換算で691キロリットル/年削減、ターボ冷凍機などの消費電力量は628メガワット時/年(約30%削減)削減を達成している。
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