ローソンが“揚げもの廃油”でバイオマス発電、店舗の調達電力を7割削減自然エネルギー(1/2 ページ)

コンビニ大手のローソンが兵庫県姫路市の店舗にバイオマス発電システムを導入した。揚げもの商品の調理で発生する廃油を活用して発電し、店舗の電力として使うことで省エネ化を図る。発電量は既存店舗の消費電力の約20%に相当する年間3万6000kWhを見込んでいる。こうした創エネに加え、徹底した省エネ施策も導入して調達電力を7割削減する。

» 2016年02月04日 13時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 24時間365日いつでも立ち寄れるコンビニは、もはや生活に欠かせない施設の1つになりつつある。しかし、便利な分だけ年間を通じて消費する電力量も大きい。そこでコンビニ各社では店舗の省エネに積極的に取り組んでいる。

 こうした省エネ活動の一環として、コンビニでは全国初となる事例が登場した。大手コンビニのローソンが兵庫県姫路市にオープンする新店舗にバイオマス発電システムを導入し、発電した電力を店舗で活用していくと発表した(図1)。

図1 バイオマス発電システムの概要 出典:ローソン

 導入するのは兵庫県姫路市夢前町に、2016年2月5日にオープン予定の「ローソン夢前スマートインター前店」。バイオマス発電の燃料は、ローソンの店舗で揚げもの商品を調理する際に発生する植物性廃油を使用する。植物性廃油の一部をバイオディーゼル燃料にリサイクルし、発電機の燃料として再利用する仕組みだ。

図2 使用するバイオマス発電システム 出典:ローソン

 このバイオマス発電システムを利用して、年間3万6000kWh(キロワット時)の電力を発電する計画だ。これは既存店舗の消費電力の約20%に相当する。植物性廃油を原料とするバイオディーゼル燃を利用することで「カーボンオフセット」の考えを適用できるため、この発電におけるCO2排出量は実質ゼロと見なすことができる。

 ローソンでは以前からこうした創エネシステムや、省エネ施策を積極的に導入する「環境配慮モデル店舗」の設置を進めている。今回の店舗は8カ所目となるが、同店ではバイオマス発電システムに加え、その他の省エネ施策を組み合わせることで、外部調達する電力量を一般店舗より2010年度比で67.9%削減できる見込みだという。

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