電力「地産地消」にJリーグチームが参戦、サポーター向け料金も用意する水戸電力電気料金の新プラン検証シリーズ(22)(1/2 ページ)

太陽光発電や電力小売事業を手掛けるスマートテックとサッカーJ2リーグに所属する水戸ホーリーホックが共同出資した電力会社「水戸電力」が、電力小売事業への参入を正式に発表した。茨城県を中心に電力の「地産地消」を訴えていく。

» 2016年02月23日 07時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

連載:「電気料金の新プラン検証シリーズ

 水戸電力は2015年1月に、太陽光発電や電力小売事業を手掛けるスマートテックとサッカーJ2リーグの水戸ホーリーホックとの共同出資して設立した地域電力会社である。本社は茨城県水戸市に置き、地元の茨城県で発電された電力の買い取りやバイオマスをはじめとする発電所の建設事業を行う。同社は電力事業を通じて、地域コミュニティーの活性化や、企業誘致、雇用創出などを目指している(図1)。

photo 図1 水戸電力の事業スキーム 出典:スマートテック

 既に高圧事業者向けに対しては電力小売を開始しているが、電力小売全面自由化に際し、家庭用の電力小売事業にも参入する。2016年2月18日には電力小売料金プランを発表した。

東京電力管内に電力を提供

 同社が電力を販売するエリアは、東京電力管内の茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、静岡県の一部(富士川以東)である。長期ビジョンとしてはエネルギーの地産地消を目指しているが、当面は東京電力からの常時バックアップや卸売電力取引市場からの一部供給を通じて電力販売を行っていく。料金プランについては、東京電力と基本料金は同じで、30A(アンペア)以上についての契約が可能だ。特に120kWh(キロワット時)以上で東京電力の価格より安く抑えており、使えば使うほど安くなるといえる。逆に、120kWh以下の電力使用量の場合は割高となる(図2)。

photo 図2 水戸電力の料金プラン 出典:水戸電力

 同社の試算では、東京電力の従量電灯B・Cを利用する場合は、月間300kWhの利用料で年間2824円の削減(削減率3%)、月間400kWhの使用量で年間6669円の削減(削減率5%)、年間500kWhの利用料で年間9864円の削減(削減率6%)となる。基本的には156〜157kWhを利用した場合が、東京電力の料金でも水戸電力の料金でもほぼ同じになる境界線だといえる(図3)。

photo 図3 東京電力の料金プラン(2016年2月時点)と水戸電力の料金プランの比較 出典:水戸電力
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.