日本ブランドが重要な太陽光、トップ企業が狙うスマートエネルギーWeek 2016(1/3 ページ)

トリナ・ソーラー・ジャパンは第9回 国際太陽電池展において、太陽電池セルを2分割した新型のモジュール「SPLITMAX」を見せた。日射量の少ない条件で発電量が多くなるという。住宅市場向けに「メイド・イン・ジャパン」ブランドの販売戦略を採ることも発表した。

» 2016年03月17日 13時00分 公開
[畑陽一郎スマートジャパン]
図1 太陽電池モジュール「SPLITMAX」の外観 出力295W品(変換効率17.6%)と300W品(同17.9%)がある。

 トリナ・ソーラー・ジャパンは、2016年3月2〜4日に開催された第9回 国際太陽電池展(PV EXPO 2016、東京ビッグサイト)で、2つの発表を行った。1つは、住宅向けの太陽電池モジュールの新製品「SPLITMAX」(図1)。もう1つは、太陽電池モジュールの「メイド・イン・ジャパン」ブランド販売戦略だ。

 SPLITMAX(DC06.08(II))の特徴は、内蔵する単結晶太陽電池セルをレーザーによって2分割したこと。同社のこれまでの単結晶太陽電池セルの寸法は、156ミリメートル(mm)×156mm。これを156mm×78mmの2つのセルに分けた。従来品よりも出力が高まるという。

 太陽電池セルを2分割した理由は2つある。1つはセルを小型化することで、機械的な性能を高めること。もう1つは表面電極に流れる電流の量を2分の1に抑えることで、電気抵抗として失われる発電ロスを減らすこと(図2)。セル間を結ぶ配線に低抵抗リボンを採用することで、セル間での発電ロスも抑えたという。

図2 セルを分割することによる優位点

 発電性能を高める工夫はもう1つある。電極上面の表面加工と、セル間のバックシートの表面加工である(図3)。いずれも入射光を乱反射させることで、太陽電池表面のカバーガラスから再び外部に光が反射することを防ぎ、太陽電池内部に取り込む光の量を増やす工夫だ。

図3 太陽電池セル以外の部分で入射光を逃がさない仕組み
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.