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» 2016年04月12日 09時00分 公開

エネルギー列島2016年版(2)青森:風力発電の導入量が全国1位、日本最大のメガソーラーも動き出す (2/4)

[石田雅也,スマートジャパン]

風力発電所の開発が26カ所で進む

 青森県では風力発電に適した年間平均風速5メートル/秒を超える場所が県内の全域に広がっている(図4)。特に県の真ん中を南北に貫く奥羽山脈と周辺の沿岸地域では年間を通して強い風が吹く。運転中の風力発電所や開発中のプロジェクトも奥羽山脈か沿岸地域のどちらかに集まっている。

図4 青森県の年間平均風速。m/s:メートル/秒。出典:青森県エネルギー総合対策局

 発電能力が1万kW以上の大規模な風力発電所を建設するためには、事前に環境影響評価を実施する必要がある。青森県内では2015年に手続きを完了したプロジェクトが3件あるほか、手続き中のプロジェクトが23件にのぼる。すべてを合わせると発電能力は130万kWを超えて、これだけで2030年度の目標をクリアできる。

 すでに運転を開始した中では、2015年3月に稼働した「吹越(ふっこし)台地風力発電所」が最も新しい(図5)。この風力発電所がある場所は、斧のような形をした下北半島の根元の部分に広がる六ヶ所村(ろっかしょむら)である。隣には国の石油備蓄基地も稼働中だ。

図5 「吹越台地風力発電所」の全景(画像をクリックすると拡大)。他社の風力発電所や国の石油備蓄基地が隣接する。出典:前田建設工業

 1基で2MW(メガワット=1000kW)の発電能力がある大型の風車10基を展開して、最大で20MWの電力を供給できる。風力発電の設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)を標準の20%で計算すると、年間の発電量は3500万kWhになる。一般家庭で約1万世帯分に相当する電力量になる。

 この風力発電所には電力を安定化させるために大型の蓄電池を併設した(図6)。蓄電池の出力は12MWで、風力発電の最大出力に対して60%までの電力を充電できる。風力発電の出力が天候によって大きく変動しても、蓄電池で出力を調整して送電することが可能だ。風力発電所が数多く稼働している六ヶ所村では必要な対策である。

図6 風車の設置状態(上、8号機)、蓄電池を設置した共通開閉所(下)。出典:前田建設工業

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