下水バイオガスが2300世帯分の電力に、沖縄で民設民営方式の発電事業自然エネルギー(1/2 ページ)

沖縄県の2カ所の下水処理場でバイオガス発電事業が始まった。下水の処理で発生するバイオガスを燃料として活用し約2300世帯分の電力を発電する。民設民営方式のプロジェクトで、沖縄県にと発電事業者のどちらにもメリットがあるプロジェクトだ。

» 2016年04月18日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 沖縄県で進んでいた下水処理場を活用するバイオガス発電のプロジェクトがついにスタートした。本島にある「宜野湾(ぎのわん)浄化センター」と「具志川(ぐしかわ)浄化センター」にバイオガス発電設備の導入が完了し、2016年4月1日から発電を開始している(図1)。

図1 「宜野湾浄化センター」(左)と「具志川浄化センター」(右)の全景。出典:沖縄県

 下水処理場では汚水処理の過程で大量のバイオガスが発生する。一般的にこのバイオガスは余剰分を焼却処理することが多い。今回のプロジェクトではこのバイオガスを燃料として発電に活用していく。

 宜野湾浄化センターには発電設備として、365kW(キロワット)のガスエンジンを4台導入した。年間の推定発電量は6400MWh(メガワット時)を見込んでいる。一方、具志川浄化センターには60kWのガスエンジンを6台導入し、年間1900MWhを発電する計画だ。なお、発電した電力は固定買取価格制度を活用して売電する。

 2カ所の合計で、一般家庭2300世帯分の年間使用電力量を再生可能エネルギーで発電できる計算になる。これをCO2削減量に換算すると、6320トンに相当する(図2)。

<strong>バイオガス発電の仕組み 出典:沖縄県</strong>
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