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» 2016年05月27日 09時00分 公開

自然エネルギー:木質バイオマス発電の熱をトマト栽培に、松くい虫の被害を受けた木も生かす (2/2)

[石田雅也,スマートジャパン]
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余ったガスからも熱を作り出す

 木質バイオマスを利用できるガスコージェネレーションシステムにはZEエナジーの製品を採用した(図4)。このシステムは同じ長野県の南部にある飯田市の農園で2015年6月から稼働しているほか、北部の栄村でも地域の木質バイオマスを利用して2016年内に運転を開始する計画が進んでいる。

図4 ガスコージェネレーションシステムの中核部分。出典:エア・ウォーター

 エア・ウォーターはコージェネレーションシステムによる熱の供給能力を高めるために、発電に利用しきれなかった余剰ガスを処理する工程で生まれる熱も回収できるように設備を拡張した(図5)。さらに木質バイオマスからガスを発生させた後に残る木炭も無駄にしない方針だ。この木炭を燃やして原木を乾燥させるほか、リサイクル木材の原料に利用することも検討している。

図5 余剰ガスを処理するフレアシステム。出典:エア・ウォーター

 安曇野菜園では温水を作るために従来はLP(液化石油)ガスを利用してきた。新たに木質バイオマスによるガスコージェネレーションシステムで温水を供給できるようになったことで、LPガスの年間使用量を半減できる見込みだ。燃料費を削減できるのと合わせて、CO2(二酸化炭素)の排出量も削減できるメリットがある。

 2017年度には木質バイオマスの燃焼で発生するCO2をトマトの光合成に生かすプロジェクトも開始する。地域の未利用資源を活用して再生可能エネルギーの利用量を増やしながら、CO2排出量の削減にも多面的に取り組んでいく。

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