「e-Bio Fuel-Cell」を利用した電気自動車の最大の特徴が、限りなくクリーンな自動車を実現できる点である。EVやFCVはクリーンな自動車だといわれているが、それぞれ電気や水素を生成する際にはCO2を発生させている場合が大半である。
しかし、「e-Bio Fuel-Cell」では、走行時に排出されるCO2が、バイオエタノールの原料となるサトウキビの成長過程で吸収するCO2と相殺されることで「カーボンニュートラルサイクル」に近づけることができる。CO2を増やさない自動車ということができるのである(図4)。
サトウキビやトウモロコシなどを原料にしたバイオエタノールは、北南米、アジアなど世界の多くの国で実用化されている。さらにブラジルなどでは、ガソリンスタンドで100%エタノールの供給インフラ環境が整っており、これらの国では、安価な燃料で自然に優しい自動車走行が可能になるとしている。日産自動車ではこれらのバイオエタノールインフラのある国々を中心に、2020年をめどに商用車で「e-Bio Fuel-Cell」採用自動車を発売する方針を示している。
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