植物由来のバイオエタノールで走る燃料電池車、日産が2020年に製品化電気自動車(2/2 ページ)

» 2016年06月15日 13時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]
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カーボンニュートラルを実現するクリーンな自動車

 「e-Bio Fuel-Cell」を利用した電気自動車の最大の特徴が、限りなくクリーンな自動車を実現できる点である。EVやFCVはクリーンな自動車だといわれているが、それぞれ電気や水素を生成する際にはCO2を発生させている場合が大半である。

 しかし、「e-Bio Fuel-Cell」では、走行時に排出されるCO2が、バイオエタノールの原料となるサトウキビの成長過程で吸収するCO2と相殺されることで「カーボンニュートラルサイクル」に近づけることができる。CO2を増やさない自動車ということができるのである(図4)。

photo 図4 「e-Bio Fuel-Cell」のカーボンニュートラルサイクル(クリックで拡大)出典:日産自動車

 サトウキビやトウモロコシなどを原料にしたバイオエタノールは、北南米、アジアなど世界の多くの国で実用化されている。さらにブラジルなどでは、ガソリンスタンドで100%エタノールの供給インフラ環境が整っており、これらの国では、安価な燃料で自然に優しい自動車走行が可能になるとしている。日産自動車ではこれらのバイオエタノールインフラのある国々を中心に、2020年をめどに商用車で「e-Bio Fuel-Cell」採用自動車を発売する方針を示している。

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