微細藻類などが生成する油脂を改質して製造するバイオ燃料の実用化に注目が集まっている。バイオベンチャーのユーグレナは、横浜市臨海部にバイオ燃料の製造実証プラントを建設すると発表した。2020年までに実用化する計画だ。
バイオベンチャーのユーグレナは2015年12月1日、同社が開発を進めている藻類の微生物「ユーグレナ(和名:ミドリムシ)」を利用したバイオジェット燃料製造に向け、横浜市臨海部に製造実証プラント(図1)を建設すると発表した。バイオジェット燃料の2020年の実用化と将来的な量産に向け、研究開発を加速させる。
ユーグレナは太陽光による培養が可能で、バイオ燃料の元となるワックスエステルという油脂成分の高い生成能力を持つ。環境への負荷を抑えてバイオ燃料の原料を生成できる生物の1つとして注目されている。
政府も「2020年オリンピック・パラリンピック東京大会」に向け、バイオジェット燃料の導入に向けた委員会を設立するなど、バイオ燃料の実用化を推進している(※関連記事)。こうした動きには、航空機業界などを中心に輸送時のCO2排出量の削減に向け、世界的にバイオ燃料を利用する動きが加速しているという背景もある。
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今回発表した製造実証プラントの建設地は、旭硝子の京浜工場内(神奈川県横浜市鶴見区)(図2)。敷地面積は約9000平方メートルで、建設着工は2016年夏、完成は2017年冬を予定する。実際に稼働するのは2018年前半となる見込みで、プラントではバイオジェット燃料の他、バイオディーゼル、バイオナフサなど複数の燃料を製造する。
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