蛇腹製造メーカーのナベルと三重大学は折りたたんで持ち運べる太陽パネル「nanoGrid(ナノグリッド)」を開発した。蓄電池とセットでリュックサックで運べるのが特徴の製品で、災害時に携帯電話やPCなどの充電に利用できる。
蛇腹製造メーカーのナベル(三重県伊賀市)と三重大学は「スマートコミュニティJapan 2016」(2016年6月15〜17日、東京ビッグサイト)に出展し、共同開発した太陽パネル「nanoGrid(ナノグリッド)」を参考展示した。軽量かつ折りたたんで運べるのが特徴のユニークな製品だ(図1)。
nanoGridはシートの上に、薄膜アモルファスシリコンを貼り付けたソーラーパネルを9枚並列に接続している。大きさは145×123cm(センチメートル)。柔軟性があり、重要は3kg(キログラム)程度だ。並列接続することによって、一部のパネルが日陰で遮られても発電できるように工夫している。9枚全てを合計した定格出力は75W(ワット)だ。
同製品の一番大きな特徴が折りたためるという点だ。折りたたむと約9分の1の大きさになる。ナベルと三重大学はnanoGridと組み合わせて利用するリチウムイオン電池を使った蓄電器も開発しており、この2つを組み合わせて提供する。専用のリュックサックに収納して、いつでもどこでも太陽光発電と蓄電を可能にするというコンセプトである(図2)。
蓄電器の外形寸法は13×45×37cm、蓄電量は200Wh。nanoGridを利用して充電すると晴天時で約7時間できる。100Vボルトの家庭用電源でも充電可能だ。70W以下の電気機器まで接続でき、消費電力70WのPCであれば約3時間、携帯電話であれば20時間程度の充電が可能だという。
nanoGridと蓄電器は現在2016年秋の販売開始を目標に、現在まだ開発を続けている。大人が簡単に持ち運べるよう2つを合計して5〜6kg程度の重量にすることが目標だという。価格は20万円程度を想定しており、まずは防災用製品として企業や自治体などを中心に販売を進めていく方針だ。
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