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» 2016年06月29日 07時00分 公開

省エネ機器:次期新幹線は電力消費量を7%削減、駆動システムとバッテリーを小型・軽量に (2/2)

[石田雅也,スマートジャパン]
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全座席に電源コンセントを設置

 このほかにもN700Sには各種の最新技術を搭載する。非常用のバッテリーを鉛蓄電池から小型・軽量のリチウムイオン電池に変更して蓄電容量を増やす(図5)。鉛蓄電池を搭載する現在のN700Aでは、架線からの電力供給が止まるとトイレを使うことができない。N700Sはリチウムイオン電池に蓄電できる電力量を増やして、停電時でも一部のトイレを利用できるようにする。

図5 バッテリーの小型・軽量化。出典:JR東海

 利便性の点ではグリーン車の座席に限定していた電源コンセントを、普通車を含めて全座席に設置する予定だ(図6)。新幹線の車内でノートパソコンやスマートフォンの利用者が増加していることに対応するサービスである。

図6 電源コンセントを全座席に設置。出典:JR東海

 安全性の面でも最新の情報通信技術を活用する。各種の機器の状態を記録したデータを「車両基地」に送信して車両の状態を詳細に分析するほか、車両に搭載した防犯カメラの映像を「総合指令所」でリアルタイムに見ることができる。車両基地では送られてきたデータをもとに、車内の温度が基準値の範囲に収まっているかなどを遠隔で監視することが可能になる(図7)。

図7 車両基地から運転状態を監視する機能。出典:JR東海

 地震が発生した場合に作動するATC(自動列車制御装置)の停止距離(時速285キロメートル走行時)もN700Aと比べて5%短縮できる見込みだ。さらに車両の最も下の部分にあたる台車には、JR東海が独自に開発した振動検知システムを搭載する。重大事故の防止に生かすほか、乗り心地の監視にも利用できる。

 JR東海はN700Sの確認試験車を2018年3月までに完成させて、営業運転用の量産車を2020年度に投入する計画だ。製作工程が順調に進めば、2020年の夏に開催する東京オリンピック・パラリンピックに間に合うかもしれない。

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