先進国ドイツに見る、太陽光発電O&Mサービスが跳ねるタイミングエネルギー市場最前線(1/2 ページ)

欧州を中心に全世界で12GW以上の太陽光発電のO&Mサービスを展開するドイツのメテオコントロール。再生可能エネルギー先進国であるドイツでは太陽光発電のO&Mサービスは「入れて当たり前」のものになっているというが、日本でも同様の盛り上がりを見せるのだろうか。メテオコントロールのマネージングディレクターであるマーティン・シュナイダー氏に話を聞いた。

» 2016年07月07日 11時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

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 太陽光発電市場では、FIT(固定価格買取制度)の価格低下や最適立地の減少などから、既存施設を有効活用しようという動きへと移行が進みつつある。こうした中で注目される太陽光発電のO&M(運転管理・保守点検)サービスだ。太陽日光発電のO&Mサービスは日本では導入は増え続けているものの、定着しているとはいいがたい状況がある。それでは、再生可能エネルギー導入の先進国となっているドイツではどういう状況なのだろうか。欧州を中心にグローバルで太陽光発電のO&Mサービスを展開するメテオコントロールのマネージングディレクターであるマーティン・シュナイダー(Martin Schneider)氏に話を聞いた。

12GWの発電を監視しているノウハウ

 メテオコントロールは、再生可能エネルギーに40年以上取り組んできたドイツの企業である。自社で太陽光発電などを行っていたが、同施設を効率的に運用するために開発した遠隔監視や遠隔制御のシステムなどをパッケージ化して展開。現在はドイツ、イタリア、フランス、スペイン、中国、北米などで展開している他、パートナーを通じてオーストラリア、イスラエル、日本で展開。4万500カ所の太陽光発電設備の合計12GW(ギガワット)に及ぶ発電を監視しているという。

 シュナイダー氏は「ハードウェアやソフトウェアだけを単純に提供するのではない。太陽光発電施設を実際に運用してきたノウハウを詰め込んだサービス提供を行っていることが強みだ」と述べている。また、同社の遠隔監視システムは、Webベースのクラウドサービスなっているが「遠隔監視サービスも以前はオンプレミス型のものが多かったが、ちょうど切り替わりのタイミングで、Webサービスとしての提供で先行することができた」(シュナイダー氏)という点も追い風だったという。

photo メテオコントロールのマネージングディレクターであるマーティン・シュナイダー氏
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