1時間でFCV2台分の水素を生み出す国内最大級の製造装置蓄電・発電機器(2/2 ページ)

» 2016年07月19日 11時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]
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北海道で小水力を使った地産地消を実践

 この新開発のアルカリ水電解式の水素製造装置を用いた実証なども推進。東芝では環境省委託事業「地域連携・低炭素水素技術実証事業」を受託しており、北海道白糠郡白糠町(しらぬかちょう)にある庶路(しょろ)ダムで小水力発電で発電した電力により水素を製造し、その水素で作った電力を周辺の酪農施設などに電力を供給する取り組みを進めている(関連記事)(図3)。

photo 図3 「庶路ダム」の外観。周辺地域に工業用水を供給している 出典:三井住友建設

 今回新たに開発した水素製造設備はこの庶路ダムの設備に導入する。約35Nm3の水素を製造する装置を導入し、同町と釧路市で利用する実証を行う。実証事業を通じて、水素サプライチェーンの構築に対する環境負荷低減や利便性向上などの検証を行う。

 なお東芝では、アルカリ水電解式以外にも、NEDO委託事業で次世代型の固体酸化物形水蒸気電解式(SOEC)の水素製造装置の開発も行っており、用途に応じて最適な水素製造装置を提供する体制を整えていく。

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