太陽光発電に必要な土地の問題を解決する取り組みの1つとして道路に太陽光発電設備を敷設する「太陽光発電道路」が注目を集めている。既にいくつかの国で取り組みが始まっているが米国でも実証が始まった。
米国のミズーリ州交通局(MoDOT)では、道路の将来像を模索する「ROAD TO TOMORROW」プロジェクトを推進しているが、その一環として米国のエネルギーベンチャーである「Solar Roadways」と提携し、旧国道66号線の一部で実証を開始するとこのほど明らかにした(図1)。
同交通局が取り組む「ROAD TO TOMORROW」プロジェクトは、同州を結ぶ州間高速道路システムが建設から60年以上を経過することになり、現代に最適な道路システムの姿を模索するために生まれたものだ。持続可能な収益源も含めて、現代に最適で先進的な道路の実現を目指す。それに向けて、技術革新の有効性をテストするためのパイロットプロジェクトを進めており、そのうちの1つが「太陽光発電道路」である。
その「太陽光発電道路」実現に向けたパートナーとしてアイダホ州のスタートアップである「Solar Roadways」を選び、実証を進めることを明らかにした(図2)。
「Solar Roadways」の太陽光パネルは、六角形のモジュールとなっており、これらを組み合わせて道路に敷設して発電を行う。太陽光発電モジュールを強化ガラスで挟む多層型の構造となっている。強化ガラスは試作品のレベルでもトラクターが上を通過しても問題ないという。アスファルトと同等の強度を持つとしているが最初は私道や駐車場のように非クリティカルな領域での試行を進めるという。最終的には高速道路などでの使用にも耐え得るように開発を進めている(図3)(図4)。
パネルモジュールにはそれぞれをインテリジェント化して管理・制御するマイクロプロセッサーが搭載されており、パネル同士や中央制御室、自動車などと通信することなども可能だとしている。
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