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» 2016年08月16日 09時00分 公開

エネルギー列島2016年版(17)新潟:都市と離島に眠るエネルギーを生かす、下水バイオガスから海流発電まで (3/4)

[石田雅也,スマートジャパン]

小水力発電と木質バイオマスが広がる

 雪国の新潟県では太陽光発電の導入量は他県に比べて少ないものの、風力・中小水力・バイオマスを加えて再生可能エネルギーの導入量が着実に増えてきた(図7)。特に最近は小水力発電の開発プロジェクトが活発だ。

図7 固定価格買取制度の認定設備(2015年11月末時点)

 県の中部に位置する柏崎市では、水道用のダムから浄水場までの水流を生かした小水力発電が始まっている。山間部にある「赤岩ダム」から市の中心部に近い「赤坂山浄水場」まで6キロメートルほどの距離がある(図8)。この浄水場に小水力発電設備を設置して2016年2月に運転を開始した。

図8 「赤岩ダム」の全景(上)、柏崎市の上水道の水源(下)。出典:柏崎市ガス水道局

 ダムと浄水場の高低差は110メートルあり、そのあいだに生まれる80メートルの水流の落差で発電する仕組みだ。水車発電機は水道用の送水管に設置しやすい円筒タイプを採用した(図9)。発電能力は198kWで、年間の発電量は86万kWhを見込める。一般家庭の300世帯分に相当する。

図9 「赤坂山発電所」の建屋(左)、水車発電機(右、画像をクリックすると拡大)。出典:東京発電

 発電事業者の東京発電が柏崎市から水力エネルギーの提供を受けて小水力発電所を建設・運営する。発電した電力は全量を固定価格買取制度で売電する計画だ。1kWhあたり34円(税抜き)の買取価格のうち、両者の契約で5.1円が柏崎市に入る。想定通りの発電量だと、柏崎市の収入は年間に約440万円になる。

 同じ県中部の三条市では木質バイオマス発電所の建設プロジェクトが進んでいる。工業団地の中の1万2000平方メートルに及ぶ敷地に、燃料の木質チップの製造工場と合わせて発電所を建設する(図10)。2016年11月に着工して、2017年12月に運転を開始する予定だ。

図10 木質バイオマス発電所の建設予定地(上)、完成イメージ(下)。出典:新潟県土木部、スパークスグループ

 発電能力は6.25MW(メガワット)になり、1日24時間の連続運転で年333日の稼働を想定している。年間の発電量は内部で消費する分を除いて4270万kWhを見込む。一般家庭の1万2000世帯に匹敵する電力で、三条市の総世帯数(3万6000世帯)の3分の1をカバーできる。燃料の木質バイオマスは三条市と周辺地域から年間に6万トンの間伐材を調達する計画だ。

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