日本初の本格的な海上空港である長崎空港の隣接地で、巨大なメガソーラーが運転を開始した。長さ3000メートルの滑走路に隣接する用地に、合計18万枚の太陽光パネルを設置した。一般家庭の1万世帯分にのぼる電力を、10キロメートルの海底ケーブルを通じて長崎県内に供給する。
長崎空港は九州の本土に大きく入り込んだ大村湾の海上にある(図1)。本土と橋でつながる空港には3000メートルの滑走路が1本あるのと並行に、広大な隣接地が設けられている。長崎県が「大村臨海工業用地」として造成した場所だ。
そのうちの34万平方メートルを使って「長崎空港隣接地メガソーラー」(SOL de 大村 箕島太陽光発電所)」が8月2日に運転を開始した(図2)。発電能力は30MW(メガワット)に達して、長崎県内の太陽光発電所では最大の規模である。
年間の発電量は3700万kWh(キロワット時)を見込んでいる。一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算すると1万世帯分を超える電力になる。発電した電力を本土にある九州電力の送電ネットワークに供給するために、メガソーラーから約10キロメートルに及ぶ海底ケーブルを敷設した。
メガソーラーを建設・運営するのは、地元のガス会社であるチョープロと太陽光パネルメーカーのソーラーフロンティアが合弁で設立した「長崎ソーラーエナジー」である。長崎県が再生可能エネルギーの拡大を目的に、公募を通じて空港の隣接地にメガソーラーを誘致した(図3)。県は20年間にわたって用地を賃貸して収入を得ることができる。
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