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» 2016年08月29日 09時00分 公開

電力自由化、先行国はこう動いた(2):規制価格と市場価格、スペインはダブルスタンダードが残る (2/5)

[グザビエ・ピノン/セレクトラ,スマートジャパン]

2009年以降の電力市場規制と競争に関する主な出来事

2009年7月1日

  • スペイン政府は全ての一般家庭の電気需要者に対して「Tarifa de Ultimo Recurso(TUR)」とする規制価格を発表した。これは訳すとするなら「“最終手段”料金」である。この規制料金と名前はガスにも電力にも適用された。電気・ガスの最高値がこのTURとなる。電気の場合、契約容量が10kW(キロワット)以下の家庭にこの価格が適用された
  • 政府は低所得者保護の目的で「Bono Social(ボノ・ソシアル)」を導入した。訳すと「社会福祉手当」の意味となる。これによって電力料金の25%が割引になるという内容である。政府は、必要条件を満たしたTURによるエネルギー購入者にのみ、この社会手当を認めた

2014年1月1日

  • TURは「Precio Voluntario al Pequeno Consumidor(PVPC)」=「使用量の少ない消費者のためのボランティア価格」(PVPC)と名称を変えた。しかし、この新料金を利用するにはTURと同様に契約容量10kW以下という必要条件を満たす必要があった

2014年4月1日

  • 規制市場での電気の価格システムが変更となった。電気料金は3カ月ごとの入札で決まるのではなく、政府によって決定されることになった。続いて、政府は「毎時間ごとの電気料金」(Tarifa de Luz por Horas)を導入した。この新しい電気料金システムは、24時間、1時間ごとに料金が異なるというものであった。そして1年後、実際にPVPC料金を利用する全ての需要者は「毎時間ごとの電気料金」で課金された電気料金を払い始めることになった。2014年のデータによれば、スペインでは人口の51.73%がPVPC料金を、48.26%が自由価格の電気料金を支払っているという

2015年7月1日

  • 全ての需要家が「時間ごとの電気料金」(1時間ごとに電気料金が変わる)での電気料金の支払いを開始

2015年10月1日

  • PVPC料金を提供できる電力会社は、デジタルメーターが既に備え付けられた全ての需要家対して「毎時間ごとの電気料」で請求しなければならなくなった

2016年

  • 「ボノ・ソシアル」が適用される条件が変更になった。全ての消費者は、以下のうちいずれかの条件を満たした上で既にPVPCの料金で支払いを行っている場合「ボノ・ソシアル」が適用されるとされた。「ボノ・ソシアル」を適用可能であっても自由価格の料金も利用することができた
    • 家族全員が非雇用である
    • 大家族
    • 契約容量が3kW未満
    • 年金受給者(最低年金額)

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