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» 2016年11月29日 09時00分 公開

エネルギー列島2016年版(32)島根:古い水力発電所を再生、太陽光とバイオマスを加えて自給率30%超へ (3/4)

[石田雅也,スマートジャパン]

メガソーラーが工業団地や空港にも

 太陽光発電では県営のメガソーラーが2016年3月に2カ所で相次いで運転を開始した。1カ所は西部の浜田市の沿岸部に広がる「三隅港(みすみこう)臨海工業団地」の中にある。2万5000平方メートルの用地に7450枚の太陽光パネルを設置した(図7)。

図7 「三隅港臨海工業団地太陽光発電所」の全景(上)、建設用地(下、画像をクリックすると拡大)。出典:島根県企業局

 発電能力は1.8MW(メガワット)で、年間に216万kWhの電力を供給できる見込みだ。一般家庭の600世帯分に相当する。三隅港は国の電源開発計画に基づくエネルギー港湾の役割を担っていて、隣接地には中国電力の石炭火力発電所がある。加えて2022年には発電能力100万kWの大規模な石炭火力発電設備が運転を開始する。

 もう1カ所のメガソーラーも工業団地の中にある。浜田市の東側に隣接する江津市(ごうつし)の丘陵地帯だ。1万8000平方メートルの用地に5520枚の太陽光パネルを設置した(図8)。発電能力は1.2MWで年間の発電量は148万kWhを見込んでいる。一般家庭の400世帯分に相当する。

図8 「江津地域拠点工業団地太陽光発電所」の全景(上)、建設用地(下)。出典:島根県企業局

 このメガソーラーの隣には、2015年7月に運転を開始した「江津バイオマス発電所」がある。周辺地域で発生する間伐材を燃料に利用する木質バイオマス発電所だ。発電能力は12.7MWに達して、年間に2万4000世帯分の電力を供給できる。さらに隣接する浄水場の構内では県営で初めての太陽光発電所(発電能力430kW)が2014年から稼働している。

 県営のメガソーラーは空港の中にも展開する。西部の益田市にある「石見(いわみ)空港」の敷地内でメガソーラーの建設が進んでいる。滑走路と海にはさまれた2カ所の用地に、合計で1万4300枚の太陽光パネルを設置する計画だ(図9)。

図9 「石見空港太陽光発電所」の建設用地。出典:島根県企業局

 発電能力は3.5MWで、2017年3月に運転開始を予定している。年間の発電量は390万kWhを見込み、1100世帯分に相当する電力を供給できる。すでに稼働中の3カ所の県営の太陽光発電所と合わせて2300世帯分の電力になる。発電した電力は全量を固定価格買取制度で売電して県に収入をもたらす。

 民間企業による巨大なメガソーラーの建設プロジェクトも始まっている。オリックスグループがゴルフ場の土地を利用してメガソーラーを建設中だ。県中部の出雲市にあるゴルフ場の3分の1(9ホール)を閉鎖して太陽光発電所に転換する(図10)。

図10 「いづも大社カントリークラブ」のゴルフコースとクラブハウス(上)、メガソーラー建設用地(下)。出典:オリックス・ゴルフ・マネジメント

 57万平方メートルの広い用地に5万枚の太陽光パネルを設置する計画だ。発電能力は14MWに達する。2017年12月に運転を開始する予定で、年間の発電量は1400万kWhにのぼる。一般家庭の3900世帯分に相当する電力になる。

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