どのようにして従来の電力源構成を変えることができたのか。全ては2003年に始まった。同年に脱原子力法を制定。2003年に初の洋上風力発電所の建設を開始した。
2004年には近隣各国と協議の結果、北海上に広がる領海(沿岸から12マイル)外の3600km2を排他的経済水域(EEZ)として確保。これが成長の引き金となった(図4)*6)。
*6) 北海に面する国々の中でベルギーのEEZが最も小さい。さらにEEZ内に石油や天然ガスなどの資源が確認されておらず、当初は悲観的な状況にあった。
陸上風力発電所は2004年から成長が加速し、洋上風力発電所は5年後の2009年から運転を開始、急速な成長を遂げ、陸上風力に追い付く水準に達していることが分かる。
ベルギーは連邦政府の他に3つの地域政府があり、洋上風力は連邦政府、陸上風力は地域政府が権限を持つ*7)。その結果、陸上風力は分散型、洋上風力は集中型の電力源となった(図5)。バランスのよい形だ。
*7) 例えばベルギーで人口が2番目に大きな都市へントは、2020年までに最終エネルギーの50%を再生可能エネルギー由来とすることを計画している。
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