ガイドライン案では、日数制御、時間制御、指定ルールなど、異なる出力制御ルールが適用される発電設備間の公平性についても言及している。まず、一般送配電事業者は、全体の出力制御量が上限に達すると見込まれるまでの間は、あらかじめ定められた手続に沿って、適用されている制御ルールの種別を問わず、全ての再エネ発電事業者に対して公平に出力制御を行うことを原則とする。
ただし、「日数制御の発電事業者の上限に達するまでの間は、時間制御や指定ルールが適用される発電事業者は、1日当たり必要な時間数のみ停止する出力制御を行うことを周知する」といった例のように、事前に手続を明確にする場合は公平性に反するとは限らないとした。
この他、指定ルールが適用される再エネ発電事業者に対して年間30日の上限を超えて出力制御を行う場合には、公平性の観点から、日数制御および時間制御が適用される発電事業者に可能な限り上限まてで出力制御を行うことを原則にする。ただし、出力制御量確保の必要性から、日数制御および時間制御が用される再エネ発電事業者は、上限まで出力制御を行わない場合かがあっても、公平性に反することにはならないとしている(図2)。
なお、住宅用の太陽光発電については、まず10kW以上の設備を対象に制御を行い、その上で必要な場合において、10kW未満の案件に対しても出力制御を行う。
一方で、規模も運営主体も異なる多数の再生可能エネルギー発電設備に対して、同じ時間数で出力制御を行うことには課題がある点にも言及している。その解決策として、実際の出力制御は柔軟に出力制御が可能な大規模の設備に限定し、その他については損失分の対価支払うことで、出力制御を経済的に調整する手法も検討していく方針だ。この手法については、逸失電力量の算定方法、買い取り価格の異なる電源間の調整方法などについて、引き続き実務的な段階にあるため、総合資源エネルギー調査会の審議会などにおいて議論を続けていく。
ガイドライン案ではこの他、指定電気事業者が行う出力制御の見通しの公表方法や、出力制御を行った場合に一般送配電事業者が行う情報の公表、出力制御の実施結果に対する広域機関の検証方法などについても言及している。パブリックコメントの募集期間は2017年3月17日までで、意見は政府が開設している「e−Gov」からの意見提出フォーム、郵送、FAXで受け付ける。
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