東北電力は、再生可能エネルギーの出力変動対策の確立に向けて、国の事業として大型の蓄電池を活用した複数の実証事業に取り組んできた。基幹変電所である宮城県の「西仙台変電所」を利用した実証で、容量20MWの蓄電池を活用したシステムが2015年2月から稼働している。
このシステムでは、風力発電所や太陽光発電所から送られてくる電力を監視しながら、天候によって変動する電力の影響を蓄電池システムと火力発電機で調整している。送電する電力量が急激に変化した場合に、東北電力の中央給電指令所が蓄電池システムと火力発電機に指令を送り、蓄電・放電あるいは発電を行うことで送配電ネットワークを流れる電力量を安定させる。
さらに「南相馬変電所」には、西仙台変電所の2倍となる40MWの蓄電池を導入し、再生可能エネルギーによる発電設備の余剰電力を貯蔵する取り組みも行ってきた。
新たに研究開発センターで行う実証事業は、こうした蓄電池を活用した出力変動対策に、水素製造技術を活用できる可能性があるかを検証していく狙いだ。実証期間は2019年3月までの約2年間を予定している。
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