太陽光発電の初入札が迫る、知っておくべき制度と手順のポイント太陽光(1/2 ページ)

改正FIT法の施行で、今後2MW(メガワット)以上の太陽光発電事業は買い取り価格を入札で決める方式に変わった。初回の入札は2017年秋に行われる予定だ。その前に、入札制度の概要と手順のポイントについておさらいしよう。

» 2017年08月14日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 2017年4月から始まった新しい「再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)」、いわゆる「改正FIT法」において、大きな変更点の1つが入札制度の導入だ。再生可能エネルギーの発電コストの低減と、国民負担の軽減を図る狙いがある。太陽光発電の第1回入札は、2017年秋に行われる予定だ。その前に、入札制度の概要や手順のポイントをおさらいしよう。

対象は2MW以上、初回は500MWの争奪戦

 買い取り価格を入札制度で決めるのは、2MW(メガワット)以上の太陽光発電事業が対象になる。つまり、今後2MW以上の太陽光発電事業でFITによる買い取りを受けるためには、必ず入札制度に参加しなくてはならない。

 発電事業者は、希望する1kWh(キロワット時)当たりの買い取り価格と、計画する発電所の発電出力の札を入れる。安い価格で入札した順に落札者が決まっていく仕組みだ。落札者の決定は、政府が事前に定めた募集容量に達するまで行われる。

入札のイメージ 出典:資源エネルギー庁

 政府は2017〜2019年度の間に、合計3回の入札を実施する計画だ。3回の合計で募集する容量は1500MWである。第1回の入札は2017年10月27日〜11月10日に実施することが決まった。募集容量は500MWで、入札の上限価格は21.00円/kWhだ。買い取り期間はこれまでと同じく、20年間である。

 なお、2018年度以降に実施する入札の募集要領と上限価格は、第1回の入札結果を検証した上で、調達価格算定委員会が決定する。

入札に参加するための条件は?

 入札に参加するためには、事前に作成した事業計画を指定入札機関である低炭素投資促進機構に提出し、審査を受ける必要がある。事業計画は「再生可能エネルギー電子申請システム」で作成可能だ。

 事業計画の提出と同時に、認定申請も同時に行う必要がある。これは、事業計画と同一のものを、発電設備の設置所在地を所管する経済産業局宛てに提出する。なお、この認定申請を行う時点では、電力会社と接続契約を締結している必要はない。ただしその場合は、定められた期限までに接続契約を行った後、追加で書類を提出しなくてはならない(後述)。

 第1回入札に向けた事業計画の提出期限は2017年9月15日までとなっている。加えて、事業計画の提出後には、1週間以内に入札参加のための手数料を降り込む必要がある。この振り込みを行わないと、入札に参加することができない。手数料の金額は、1事業計画当たり12万7000円に決まった。振込先は低炭素投資促進機構だ。

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