Looopが電気と“電池”のセット割、「業界最安水準」の料金単価へ太陽光(2/2 ページ)

» 2017年09月05日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]
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どうして安くできるのか?

 LooopがLooopでんち割で3円の割引きが行える背景には、Looopでんちの機能が大きく寄与している。家庭用のLooopでんちの特徴は大きく2つある。1つ目が価格の安さだ。一般的な家庭用蓄電池は150〜250万円の価格帯が多い。一方、Looopでんちはハイブリッドパワコン、コントローラーなどを含む蓄電池システム一式の価格を税別89万8000円とした。100万円を切る価格を実現した背景には、電池容量を4kWhに抑えた点が寄与している。

 2つ目の特徴が、独自の充放電制御システムだ。Looopでんちは、双方向通信システムを搭載しており、ネットワークを通して蓄電池の充放電を30分単位で自動制御する機能を備えている。人工知能も活用し、その日の天候や、それに伴う太陽光発電の発電状況、家庭の電力の使用状況に合わせて電気の売買電を行い、電力コストを最適化する。つまりLooopでんちは、調達価格の高い時間帯になるべく買電を行わないように制御することで、電力の原価を最小化する。この原価削減分を3円の割引きというかたちで還元するのが、Looopでんち割という。

 Looopが蓄電池を組み合わせた割引きを提供する背景には、住宅太陽光発電の“2019年度問題”がある。FITによる住宅用太陽光の余剰電力の買い取り期間は、設置から10年。そのため、2019年度以降から、買い取り期間が終了するユーザーが出てくる。買い取りが終了した場合、一般送配電事業者に売電するよりも、自家消費にメリットがあると見込まれており、それに伴い電力を有効利用できる蓄電池のニーズが高まるとみられている。

 一方、先述したように、まだ家庭用蓄電池は一般に“導入しやすい価格”とは言えない状況にある。その中でLooopは、蓄電池の価格を押し上げている要因の1つが電池の容量にあるという点に注目。高度な充放電システムを組み合わせることで、競合製品より少ない4kWhの容量でも十分と判断し、低価格化を図った。蓄電池の購入費用は掛かるものの、電力コストの最適化およびLooopでんきとの組み合わせによる割引きで、20年間で十分に採算が採れるとしている。

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