戦略特区でふん尿発電、植物工場も併設して地域活性化を目指す:自然エネルギー(2/2 ページ)
プロジェクトの一環として、2018年中にメタン発酵発電所の隣接地に、最先端の植物工場の建設も行う。同じくトーヨーグループのトーヨー養父農業生産法人が運営するもので、トマトを栽培する計画だ。アグリ事業も手掛けるトーヨーグループのノウハウを生かし、最新鋭のハウス施設栽培技術で養父市のブランドトマトの確立を目指すという。
トマトの植物工場では、メタン発酵発電所の排熱も活用していく。トマトの栽培に必要な環境を整えるため暖房費がかさむ冬季を中心に活用し、エネルギーコストの削減を図る計画だ。
プロジェクトの全体図 出典:トーヨーグループ
トーヨー養父バイオエネルギーでは、メタン発酵発電所と植物工場などの各施設の運用により、地域雇用の創出にも貢献するとしている。発電所では10人の正社員を雇用予定だ。さらに将来は新電力を活用したエネルギーの地産地消に取り組むことも検討していく方針だ。
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岩手県の鶏肉生産会社が鶏の糞を燃料にバイオマス発電を開始した。周辺地域で飼育する年間5000万羽を超える鶏の糞を集約して、ボイラーで焼却して蒸気で発電する仕組みだ。焼却後の灰にはリンやカリウムが多く含まれているため、農作物の肥料に再利用してバイオマス資源の循環を推進する。
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温暖な気候に恵まれた宮崎県では、サツマイモから作った芋焼酎や鶏肉などを特産品にして地域経済の活性化を図っている。その生産工程で発生する大量の廃棄物をバイオマス資源として再利用する取り組みが活発だ。林業と連携した木質バイオマス発電所の建設プロジェクトも続々と始まった。
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酪農が盛んな北海道の鹿追町に日本初の「水素ファーム」が誕生する。牛ふんを発酵させたバイオガスで水素を製造して燃料電池車に供給するほか、定置型の燃料電池で電力と温水を作ってチョウザメの飼育にも利用できる。CO2フリーの水素エネルギーを生かして循環型の地域社会を目指す。
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