Bloom Energy Japanの固体酸化物形燃料電池が韓国の火力発電所に導入されることが決まった。韓国では発電事業者に対し、一定割合の電力を再生可能エネルギーまたは燃料電池で発電することを義務付けている。
[長町基,スマートジャパン]
ソフトバンクグループで発電事業を行うBloom Energy Japan(東京都港区)は、韓国南東発電会社(KOEN、大韓民国晋州市)が実施した盆唐(ブンダン)複合火力発電所(同城南市)に設置する燃料電池設備の競争入札で、同社の8350kW(キロワット)の業務・産業用燃料電池発電システム「Bloomエナジーサーバー」が採択されと発表した。現地の工事会社であるSK Engineering&Construction(SK E&C、ソウル市)との共同入札によるものだ。
今回導入するものと同タイプの「Bloomエナジーサーバー」 出典:Bloom Energy Japan
Bloom Energy Japanによると、今回の案件は同社初の日本国外での事業かつ、韓国で初の業務用・産業用固体酸化物形燃料電池(SOFC)の導入事例になるという。発電施設内に既設のLNG設備を使用した天然ガス供給により運転を行う。発電した電力は、全量をKOENが個人や企業などの一般顧客に対して販売する。
見えた製造業の導入メリット、日本初の燃料電池の活用事例
軸受製造などを手掛けるポーライトは、自社工場に産業用の燃料電池システムを導入した。Bloom Energy Japanが販売する産業用燃料電池システム「Bloomエナジーサーバー」を導入したもので、都市ガスの供給エリア外で燃料電池を活用する仕組みを整えたユニークな事例だ。電力コストやCO2排出量の削減だけにとどまらない、製造業ならではの導入メリットとは?