新電力シェアは20%突破へ、2025年度の市場予測:電力供給サービス(2/2 ページ)
ガス自由化市場についてみると、ガスの小売自由化は1995年3月より段階的に対象範囲が拡大され、2017年4月に年間契約数量10万立方メートル未満の需要家へのガス小売が自由化されたことで、全面自由化が実現した。なお、都市ガスのパイプラインは首都圏に集中していることから、東名阪などで競争が激化している。
家庭向けでの新規参入は旧一般電気事業者やLPガス事業者、一部の旧一般ガス事業者による越境参入などがみられるが、エネルギー事業者が中心だ。家庭向けへの供給を行う・予定するガス小売事業者は15社程度にとどまっており、電力のような異業種からの参入の動きは鈍い。
旧一般電気事業者は2016年度の電力小売全面自由化により、ガス、石油をはじめとする異業種からの新規参入事業者に奪われた需要家を取り返すという意味でも積極的に顧客獲得を進めている。ガス小売事業者であるLPガス事業者などへの卸売り、異業種事業者との代理販売契約など多角的なアプローチを進めている。
LPガス事業者はLPガス事業の継続という意向があるものの、長期的な人口減少により新規顧客の増加が期待しにくいことや、顧客の都市ガスや電化など他熱源へのシフトによる喪失を防ぐといった面から、参入する事業者が多い。異業種からの参入については、ガス小売事業者としてではなく、代理販売、取り次ぎ販売などで参入するケースもみられる。
新規ガス小売事業者のうち主要8社のガス販売量 出典:富士経済
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