ソフトバンクと物質・材料研究機構(NIMS)が、究極の二次電池とされる「リチウム空気電池」の共同開発に着手。2025年の実用化を目指すという。
理論上あらゆる二次電池の中で最も高いエネルギー密度を持つとされており、現在主流のリチウムイオン電池を超える次世代電池として期待されている「リチウム空気電池」。ソフトバンクと物質・材料研究機構(NIMS)は2018年4月11日、「NIMS-SoftBank先端技術開発センター」の設置に関する覚書を締結し、このリチウム空気電池の早期実用化に向け共同研究を開始すると発表。2025年ごろの実用化を目指すという。
リチウム空気電池は、負極活物質として軽いリチウム金属を、正極活物質として空気中の酸素を使う蓄電池。正極活物質を電池内に持つ必要がないため、理論エネルギー密度が現在使われているリチウムイオン電池より5倍以上高いとされている。さらに、正極に空気中の酸素を用いるため、コスト面でも有利とされており、“究極の蓄電池”ともいわれる。
近年、さまざまなモノがインターネットにつながるIoTの進展によって、さまざまなデバイスを長時間にわたって動作させたいというニーズが高まっている。例えば情報を取得するセンシングデバイスや、ウェアラブルデバイスなどが挙げられる。
今回のソフトバンクとNIMSの共同研究はこうしたニーズに向け、高性能なリチウム空気電池の開発に取り組むという。また、両社はドローンなどの飛行物体、ロボティクス分野などあらゆる産業への適用も期待できるとしている。
これまでNIMSは、リチウム空気電池用の超高容量のカーボンナノチューブ空気極や、エネルギー効率と寿命を大幅に改善する電解液の開発に成功している実績がある。
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