日本の電力会社が初参加、英国で進む860MW規模の洋上風力発電自然エネルギー

関西電力と電源開発(J-POWER)が英国で進んでいる大型洋上風力発電事業に参画。国内の電力会社が海外の洋上風力発電事業に参画するのは初になるという。

» 2018年08月20日 09時00分 公開
[長町基ITmedia]

 関西電力と電源開発は2018年8月13日、英国で進行中の大型洋上風力発電事業に参入すると発表した。関西電力はドイツの大手電力会社であるINNOGY社が子会社を通じて100%出資し、英国で大型の洋上風力事業を計画しているTriton Knoll Hold社(以下、トライトンノール社)の株式16%を、電源開発は25%を取得する。

 トライトンノール社は、「トライトンノール洋上風力発電所」を建設および運営する特定目的会社。同発電所は英国東海岸の北海洋上にMHI Vestas社製の9.5MW(メガワット)の大型洋上風力発電機を90基設置し、総発電容量は約86万kW(キロワット)を見込む。完成すれば世界でも最大級の洋上風力発電所だ。運転開始は2021年、商業運転は2022年からを予定している。

発電所の建設予定地 出典:電源開発

 関西電力は、オランダ現地子会社のKPIC Netherlandsを通じて同株式を取得している。なお、同社によると日本の電力会社が海外洋上風力発電事業に参画するのは初で、これによる海外事業における関西電力の持分容量は合計271.2万kWとなる。

 なお、電源開発は株式の取得にあたって、英国に投資会社JP Renewable Europeを設立。電源開発が投資会社の議決権付普通株式の100%を保有し、会社運営を行う。また、設立した投資会社は日本政策投資銀行(DBJ)に対して議決権のない優先株式を発行し、投資所要資金の一部を調達する予定だ。

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