テスラの蓄電池でエネマネ、ミライトが三井物産の実証に参画エネルギー管理

ミライトは三井物産の電力系統安定化に向けた実証実験に参画。同社の研修センターに蓄電池などを設置し、ピークカットやエネルギーマネジメント、電力事業者のニーズに応じた調整電力の供給などを検証する。

» 2018年09月11日 09時00分 公開
[スマートジャパン]

 ミライト・ホールディングスのグループ会社で、総合エンジニアリングのミライト(東京都江東区)は、三井物産が展開している、分散型電源による電力系統安定化の実証実験に参画する。2018年8月、同年9月上旬から、「ミライト市川研修センタ」(千葉県市川市)を利用し、実験を開始すると発表した。

「ミライト市川研修センタ」 出典:ミライト・ホールディングス

 温室効果ガス削減対策として、再生可能エネルギーが普及してきたが、再エネ出力の大きな変動や余剰電力の大量発生といった、電力系統の安定運用に影響を及ぼすという課題が顕在化しつつある。そのため、電力系統の安定化と継続的な再エネ導入を両立する社会的な仕組みが必要となってきた。これらの課題に対応するため、蓄電池や人工知能技術を活用して、電力使用を効率化する動きがみられる。

 こうした状況下、三井物産は2017年12月から、電力系統安定化を目的に、三井物産が出資する米国のベンチャー企業であるステム社(米国カリフォルニア州)の「電力需要予測分析技術を用いた人工知能駆動蓄電システム」と、テスラの蓄電池(Powerpack)を活用し、「仮想発電所」の実証実験を行ってきた。

 今回の実証実験でミライトは、仮想発電所の早期実現に貢献するため、長年培ってきた蓄電池設置のノウハウと、従来の通信インフラ建設技術により、実験の場として市川研修センタを提供し、実験参画することにした。

 実証実験は、9月上旬から本格運用を開始し、ピークカットやエネルギーマネジメントの実効性と、電力事業者のニーズに応じた調整電力の供給が可能であるかを検証する。この実証実験を通じ、蓄電システムなどの分散型電源を活用した、効率的な電源構成の構築に寄与し、低炭素社会実現に貢献することを目指すとしている。

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