九州電力、日産自動車、イーレックスは、電気自動車の蓄電池を、ビルなどの施設の電力需要削減に活用する実証試験に着手する。
九州電力とイーレックスおよび日産自動車の3社は2018年10月、電気自動車(EV)を活用してビルの最大需要電力(デマンド)を削減する「V2B(Vehicle to Building)パイロットプロジェクト」を実施すると発表した。2019年1月から実証試験を行う計画。
今回のプロジェクトでは、法人顧客のビルなどに日産リーフと充放電器を導入し、車載バッテリーの電気を活用することによる顧客のデマンドの削減効果を検証する。さらに、非常用電源としての活用も含めた顧客の受容性についても確認を行う。
具体的なEVの活用方法としては、ビルの電力需要が多い時間帯にはEVの蓄電池から放電を行うことで、系統から購入する電力量の削減を図る。反対に、電力使用量が少ない深夜などの時間帯にEVに充電を行う。
プロジェクトでの各社の主な検証項目をみると、九州電力は、顧客の使用電力データ分析によるデマンド削減効果や、将来の事業化を見据えた事業性評価などを行う。
イーレックスは顧客の車両使用用途に応じたサービス適合性と受容性や満足度の検証、およびガソリン車とEVでの車両関連コストを比較する。日産自動車はV2BによるEVの使われ方を確認する。
各社は同プロジェクトを通じて、EVを活用した新たなサービスの創出に向けた知見の獲得を目指すとともに、今後の事業化についても検討する方針だ。
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